◎2018.5
井戸(ペエール)
拾ったペンで
居なくなったと考えてみる
他の人の楽しんでいる姿
光の槽に聖霊の後ろ姿
復活の時自分に会うのを楽しみに
責任がないことを示すため
魚の腹を光らせる
自分で切った後ろ髪に
話しかける羊栖菜
光りの味付け
提灯がぼおっと
ミラーニューロンの無いミキを照らす
死んだら 死んだら
死んだら会えると思っていましたか
会えない自分を考える
裾野の思い出
マキの声が電気洗濯機のように魚を洗う
地上でした そうでした
食べ物も沢山あって
クリーニングとパーマネントの金もある
心に達する 提灯
工具箱を開いて
ユキはひたすら練習する
一人になったことを考える
自分を頼れないので薄まってゆく
白い腹が翻る
井戸(ペエール)は23メートル、幅が2.5メートルあった
他の人に汲ませている
塀越しの庭の薔薇の後ろ姿
at most
そのために沢山の人が
彫琢にライホーし
ハキハキと上擦って
ferris wheelのデパートの
地下のびよびよ鰹
いい嫁を貰ったね
別れて正解
裏切り者として殺されたのを
皮肉まじりに見られた
歯茎に杭
金歯に烏
ギャーギャー啼いて スラッシュ
それにしても アイスのような味
金箔には感動した
死者は一億
ソフトの口調でコーンを噛み砕く
爆心地に臨む比治山展望台のヘンリー・ムーアは
コーンの彫琢を実行したか
隣の庭の後ろ姿の薔薇を撮る
クリーム状の彫刻は終わった
最大限at mostに ソフトに冷えて
〇
そうしてやっと空はやぶけて
麦色は立つが
頭の位置が悪い
言われた通り作った
オレンジの地衣類が去った灰色の中で
青い骨が項垂れている
雛罌粟の花火だけがたまに点り
マイクには鯖の耳のような穴が開いている
ディジタルの溝ドブから
水揚げされた ナイフ
弾かれた 広島
熱意に沿って 海岸線を往く
急激に縮尺を変えることの出来る現在地を
裂け目型の月が見下ろす
頬から化粧のようなものが落ち
原さんはまだ「アイスを食べよーよ」と唄っている
(ほんとうに戻って来たのだろうか)
ほんとうに戻って来たのだろうか
戻らない家なら沢山ある
エファタ(開け)と言われても
聞こえない家で
手を洗わず
下の名前に支えられる将来が見えるか
専門家は力について何と言っているか
手洗いから戻って来た時
もう輪に入れなかった
上層の軽い声も
腸のように思い
力がなくなって 歌を止めた
また妄想に逃げ込もうか
裾野で溝浚い
完全に 外
だれもとどかない
(点ではなく線になっていて)
点ではなく線になっていて
とても雨らしい
人はアリにして
世はカーテンにする
愛してはいない
カーテンから出た足を洗い
制服したのだ
根源を除き去ると
雨の色になるか
タブレット
神にも自分にも頼れない今、映画は憂さを晴らしてくれる唯一の逃げ場ですね
クラウド上の置き場をアップグレードする余裕もなく、外付けのバックアップも出来ない
現行のディスプレイのアイコンが全てであるような薄っぺらい板に魂の置き場所を定めて、山肌に当たる先細りの光を見ている
(端々に零れ出る世)
端々に零れ出る世
指先から覗く眩しさ
新しい車の色で測る 双方の距離
ばかでかい本を抱えた敬語の間違い
田植えを待ちながら 永遠を覗き込ませる
ラクダが縫い針の穴を通るのはやさしい
5.12
flamenco@hiroshima abierto
5.18
mshb
koenji@ufoclub
おやすみおはようこんにちは
おやすみを言う人がいない
みんなきれいに忘れていく
きれいな人はみないなくなった
おやすみきれいなおやすみ
おはようを言うわ人がいない
みんなとっくに起きている
ねている人はみんないなくなった
おはようおそいおやすみ
こんにちはを言う人がいない
こんにちはを言う人ははたらいている
はたらく場所の外側で聴くチックコリアに殺意を覚える
こんにちはがはたらかない場所で睡魔と闘って
こんばんはを言う人がいない
土曜の夜はみな街に出かけてしまった
街はいつでも夜の7時
おはようと言い合う人たちが夜の7時の街に出て行く
さよならを言う人がいない
さよならを言う前に夕が来る
さよならを言う前に朝が来る
道頓堀の千日前
言えないさよならを待っている
おやすみを言う人に
こんにちは
さよならを言う人に
おはよう
こんばんはを言う人に
おやすみ
倉敷で買った網野善彦×小熊英二 。戦後歴史学の鬼子の、その鬼の首を取ったつもりの網野は、鬼にも左右白黒つけたがる小熊から逃げ切ろうとして、不死性を持たぬまま、文献のアジールに走り込む。網野は日本のフーコーだったのだ。
核で旗は振られているが
暗い北海道で
雪掻きをする母子
原本を発見して
旗を振ったのだ
目は四つある
上と下と自分と他者に
核で旗は振られているが
子音のない表れ
作文は読まれ
(ムシェットは読まされ)
固有名は閉ざされているのに
九つの尾には九つの呼び名があった
父なし子を苦しめてはならない
森に入っちゃいけないったら!
ラングドシャの真ん中の月明かりを
憶測して
蛍がまた孵る
焼燔の捧げ物として娘を捧げる
暗い北海道で
雪掻きをする母子
原本を発見して
旗を振ったのだ
目は四つある
上と下と自分と他者に