tori kudo

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浜風文庫2020.11

11.2

コロナのように際限のない土壺移り

痰壷
マサチューセッツの農場に住む数学教師ハワード・シュテルツァーはカセットとカセットプレーヤーで音楽移民を作っていた
今まではドローンとテクスチャーが多かったが
ある日痰のように人声を 使いたく思った
ハワードのコロナの死骸
ハワードのハートはマインドをもはや切り離すことができない
ハートはマインドをもはや切り離すことができないゆえに心には愛情欲求動機の他に「考え方」も含まれていることが分かる
理解のないところに感動はない
理解も感動もないこころに煙は立たない
〽︎でも見てよ今の僕を
クズになったあ僕うをお
口から吐くのではない
心から考え方の死骸を吐き出すのだ
聴いたことがないと言うサトコさんに香水を聞かせたら「そう言えば息子が学校でサビが岡山弁の歌が流行ってるって、と仰る。
わしかてずっと一緒におりたかったわ
心には愛情欲求動機考え方性的不道徳恐喝贈収賄が含まれている
悪に関して同じ感覚を持つ鍋
あなた(博多)の中 人々は
ハロウィンパ
レードとルーが歌ってもう三十余年
祝祭のために女が泣くことは忌まわしい
紛れもない悪と看做す
似ても似てなくてももう月明かり
考え方によって大切な人とみなされない
サトコさんが言うには正直な歌詞が良いらしい
わしかてずっと一緒におりたかったわ

 

11.3

わしかてずっと一緒におりたかったわ

社会学者がサカナクションの新宝島を 唄った
その前は真心ブラザーズの拝啓ジョンレノンだった
それから知らない女の子がボニーピンクのヘブンズキッチンを 唄った
僕はマスクをしていた
同じ女の子が細野晴臣の恋は桃色を 唄った
ポンコピピンのマスターが誰がために戦うというサイボーグ009のアニソンを唄い上げた
死の荒野というところを極限まで引き伸ばした。
社会学者が蘇州夜曲を唄った
ポンコピピンのミホさんが椎名林檎ヴァージョンの木綿のハンカチーフを 唄った
知らない女の子がエゴラッピンの嘴にチェリーを 唄った
ポンコピピンのマスターが愛の讃歌を唄った
社会学者が頻繁にキーを変えながら平沢進の白虎野を唄った
ミホさんが椎名林檎の茜さす帰路照らされどを唄った
僕が歌ったのはこんな歌だった
月夜のボタン
月がきれいなので
虫を食べることにした
抵抗して弾けて飛んだボタンは月になった

光になれば月は見えず
虫のように真っ白になって歩いていた
月を見るためには虫を食べなければならな

変わらなければならない
月になってはいけない
今夜のきみは空のメダルのようで コートの中はひとの形はしているが 凍結されたカードのように空っぽだ 月を見ず 花を見ず メダルのようなボタンになって 拾われぬまま
照らされず 虫を食べるようになることなど思いもかけ ないのだ ボタンの血を飲み月の肉を食べることがそ んなにいやなら 2トントラックがバックするから 心をひねりつぶせばいい�花を見ず 強姦され�月を見ず 強姦され ぺしゃんこになった二次元の光 ひとはいつか虫を食べるようになると ぼくは今夜は思っているんだ
それからポンコピピンのマスターが美空ひばりの乱れ髪を唄った
そのあと社会学者が椎名林檎の罪と罰を唄った
ミホさんが平松愛理の部屋とTシャツと私を 唄った
知らない女の子が相対性理論の地獄先生を 唄った
ポンコピピンのマスターが新造人間キャシャーンを 唄った
社会学者がベルバラの薔薇は美しく散るを唄った
ミホさんがCHARAの優しい気持ちを 唄った
知らない女の子がとんちんかんちん一休さんを 唄った
社会学者がミシェルガンエレファントのバードメンを 唄った
ミホさんがタイムマシンにお願いを唄った
ポンコピピンのマスターがオーバーザレインボーを唄った
知らない女の子とポンコピピンのマスターが が初めてのチュウを 唄った
社会学者と知らないヒロシとミユキの男が女のラブゲームを唄った
知らない女の子は永井真理子のミラクルガールを唄った
社会学者が三国志ラブテーマを 唄った
知らない男がブルーハーツの1000のバイオリンを 唄った
ミホさんが歌舞伎町の女王を唄った
ポンコピピンのマスターが獣は裸になりたがるを歌った
社会学者がイエモンのJAMを 唄った
外は冷たい風
街は矛盾の雨

11.4

服を失くす

ポートランドでスモールバンドと自嘲するチャーリーブラウンみたいな男の家に泊まり
寒いと言うとフード付きの青いジャケットをくれた
洗濯すると縮んだけれどずっと着ていた
またポートランドに行った時返そうと思ってわざわざ持っていったけど
彼は現れなかった
それでまた日本に持って帰って着ていた
ポートランドではコラボしたスーザン・チャンチオロにも祖母の帯を持っていってやったのにNYに行ってて礼もなくてがっかりした
それはいいとしてとにかくその青い服を失くした
ヨークシャーの青いセーターも飴屋さんとやってた頃まではよく来ていてアー写にも使ったけれど軽トラの荷台に積んでいたらどこかに飛んで行ってしまった
それと同じくらい大事な服だった
数日前、母が父の形見の黒いフード付きのジャケットを着ろといって呉れてそれを着ていたので、青いジャケットを失くしたことに数日気付かなかった
自分はどこで何をしていたのか遡って思い出そうとするがこの数日間でさえアーカイブ出来ないと分かった
銀杏の葉のエキスをアメリカから取り寄せて飲んでみたら、末端の血管は活性化はするがミスは変わらず、かえって不幸が活性化するだけだった
先週は
青空の写真をupした
図書館車で仕事中大木さんから電話があった
背広を脱ぎ件のフード付きの青いジャケットを着て作業したと思う
老人喫茶ノアでコーヒーを飲んだ
スタジオホトトギスで鶴さんとただ話して終わった。もしかしたらスタジオかもしれないが、鶴さんから連絡はない
ネットの会合に参加した
夜はうろうろしていた
次の日もカメラ君に頼まれて鶴さんのところでコロナ都々逸を録音した
触れないなら
ただ見つめ合え
ドルチェアーンド
ガッバーナ(ー)
El rey no debe multiplicarse esposas, para que no se desvíe su corazón
道後に向かう車の中からゴミ収集車の写真をupした
コンビニのwifiで会合に参加した
ネットで作業していた
ジョン川平氏の放送協会の番組を聞いた
久万豚太郎で辛すぎるカレーラーメンを食べて心底がっかりした
その後轆轤したから服は汚れた筈である
相模原のホワイト餃子萬金の写真をupした
ネットで2012‐2019の詩を編集する作業をしていた
コロナ音頭が送られてきたのでupした
2012-2019をアップデートした
zoomの会合に参加した
素焼窯入れしたので服は汚れた筈である
元祖ベジポタと幟のある大街道のバスのラーメン屋に服が汚れたまま行き、その後ネカフェのマッサージ機にかかった
そこでyoutubeで高く評価した動画をまとめてupしてみた
ドルチェアンドガッバーナは高いんだね
一番安くて7000円だって
ちなみに高く評価した動画というのは
Joy Again – Winter Snakes
Hot Gossip – Break Me into Little Pieces
香水 / 瑛人 (Official Music Video)
Just Regular People
自販機
Yesterday Yes A Day (Bande originale du film “Madame Claude”)
BJ SNOWDEN IN CANADA
Maher Shalal Hash Baz@近江八幡酒游舘 2005/4/3 2nd stage
Xinlisupreme – Kyoro 2
Jean Claude Vannier – Habitants de Bécon les Bruyères
Infelices Bicharracos, debut en vivo
Roland Kayn – Simultan
Oneohtrix Point Never – Black Snow
TRABANT Víg M. Kígyó
tori kudo “job2011”
Xinlisupreme – All You Need Is Love Was Not True
わしかてずーっと一緒に居りたかったわ
という歌をサトコさんに教えてもらって聞いた
窯焚いてるから暇なんだよ
SAYONARA Baby
青空の写真をupした
会合に参加した
図書館車で井内、西谷方面を回った
ちなみに西谷は風の谷のモデルと言われている 
昔久米の温泉の近くにあった店が潰れたラーメン屋に居抜きで入っていた
服はそこかもしれない、と思う
夜中2012‐2019をアップデートした
朝引き続き2012‐2019をアップデートした
釉掛けを始めるが終わらず
カッパを着て図書館車で小学校に行った 雨 
仕事着には着替えずあっさり元味というのを食べたので服はそこかもしれない、と思う
そのあとそのまま窯入れを始める
父の服をもらった ということはその時点で青いジャケットは着ていなかったのではないか
親の服はセンチメンタル・ヴァリューというより中学の頃の強迫神経症と繋がるので大事というのとはまた違う
会議を傍聴する
窯入れを続ける
夜中過ぎて火を入れる
ポンコピピンで俳人と会う
青空と電線の写真をupする
だんだん現在形になってきたな
金湯に浸かりマッサージ機にかかる
一興であっさり元味
ビル・ウェルズの新作を聞く
礼子仕事
さよならベイべの歌詞をコピーしてコードを探す
招き猫でカラオケについての詩を書く
民酒党という店にみなは行く
家に着いた時車を少しぶつけた気がするが大丈夫だった
セイタカアワダチソウの風呂を入れる
スムージーを作る
イギリスや日本にはまだ王がいる、と意見を述べる
カナリア諸島から緊急のメールあり二〇〇七年のジャパンタイムズのマヘルの記事をチェックする
カフェで訊くが服はないと言われる
図書館車で小学校に行った
死にかけの猫に会う あんな悲惨な猫は初めて見た
食べ物を持っていったがもう食べなかった
トランプ劣勢
今ココ

 

11.5

見るように聴け

一日朝は素焼の火を止めてから三五〇円の有馬と同じ金泉という、タオルがまっかになるぬるい露天に一時間くらい浸かっていてそれは須坂辺りの、浴槽が溶けて鍾乳洞みたいになってる公衆浴場とかを少し思い出させるので結構好きである
それから無料のマッサージ機に、首周り主体に、スマホ見る時俯いてちゃダメだよみなさん、20分くらいかかってから出たのだが、その時あったまったお陰で紺のパーカーを忘れたのだ。温泉に電話して分かった

※反省ちゃん
周縁になるほど時間が早く過ぎ、中心に時間はない、と言えるが同じように物も
こうして見えなくなるのだから
物はない、と言える
イチョウ葉で物がよく見えるようになったと思うなら、自分は見るように聴け
聴くことが見えるものより上に来なければならない
私たちは字を見ているのではない、聞いているのだ

11.6

聴き漏らして命を落とす男

見ることのヘマ
聴くことのデマ
見て触って従うママ
よりもdeep listeningして思い描くシェーマ
ジャーゴンをTV言葉に翻案していくネカマ
ハラワタからつつく音声記号はサンマ
秋の刀だとか明石家さんまだとかを断ち切り
意味の腑を掴め
シニフィアン連鎖はオヤジギャグじゃないぜ
聴き漏らして命を落とす男にアクマ
詩の大使はマグマ
人を襲うクマ
煮炊きする土間
傷を増やして喧嘩独楽
郡上は春駒
音凪は天満
帯を直しながら階段上るチーママ
スマホ禁止の車
急に神聖なものにチェンジした奥の間
台湾の右に波照間
走航は
メラトニン不足の赦されぬまま

11.9

阿部薫はミノが好きだった

藍住にキラ⭐️星という若い夫婦のやっているラーメン屋がありそこには作者が死んだ「喧嘩ラーメン」全巻が揃っている
今日は四巻目を読んだら家系前夜的なものと対決していた
日本人の痴呆はラーメンの糖質から来る、と医者の本にあった
うどんなら機械的に「肉うどん、」としか注文できない肉体労働者達はだから圧倒的に正しい
なるべく麺以外の繊維質と蛋白質から食べるようにして
それでもとうとう麺に箸を付け始めて近づけた顔から突如死にたい、と口を突いて、周りに聞こえなかったか不安になり乍らも、今のこの死にたいは絶対録音できないだろうななどと思いながら食べた
店の裏手に回ると草の中に見事に半球のお玉杓子と柄杓、雷文のラーメン鉢が打ち捨てられていた
阿部薫はミノが好きだった
と今度は音声無しで思った
Bluetoothで聴いていたDUOと題された昔の自分の音源の、ふわふわと捩れたサックスが平田薫という人ではなかったかと考えたからだろう。
ミノは上胃である
何かの小説にギムナジウムでの無味乾燥な学問という描写のために牛の四つの胃のラテン語を暗記させられている場面があったが
音は
ふわふわのガムみたいなホルモンではなくて上ミノでなければならなかった

 

11.10

セブン-イレブンに車を駐めて

セブン-イレブンの前に車を駐めて
二つの時間を生きている
バイデンの時間は皮を被ったまま加速しておりトランプは剥き出しの無時間である
自転車を読んだ男が競輪新聞を停めている
メルボルンの友人が手を振る

11.11

手のある鮒鮨の風景

箒の持ち方も知らず
悩みや不安もなく
家の排水を二の次にして木の気持ちを大切に
自分から触りにいった
牡丹色の服を着て箸を持った そばに
いーられるーと思い出す きみの
ドールチェアーンドガッバーナーのそーの
蕎麦に痛いと思わせる饂飩
下校途中の子らにさようならと言われて泣き崩れ
距離を感じたり見下されていると感じたりさせなかったので
カレーと一緒にいると落ち着く乾麺
をよく折る地上の水道管を折る
スペクタクルの狭間で!
土地にいつも頼って死ぬ天麩羅の父祖
に頻繁に真剣に折れた水折った泉
〽︎ひとりでいるのがこわくなる
折れた水折った泉水
仲間といる時も折れた水折った泉食べている時も折れた水折った泉
いろいろなタイミングで苦渋を言い表す折れた水折った泉
決定をする後に
助けを祈り求め
人に土筆
土手休み
マッサージチェア壊れて他の自分を優先し他の自分中心もみ・たたき弱中強五段階自己評価
菅総理
で快く許さない許さない熱心すべてに示せよ
予告編によると、ほとんどのメディアから受け入れられず隣人によって殺されることになっていたから手を抜くこともできたがそうはせずガラ聲で熱い小便をした謙信と孫悟空がにちゃにちゃして道
水道管の破裂を予期しながら
不完全な他の自分とは比べ物にならないほど
身体面でも精神面でも完全で周囲のスイマーと圧倒的な差があった 冬
それでも謙遜に睡魔と闘い他の動物としての自分に仕えた
辛さを抱きしめる強さ
仮名に圧力
放して倣うもほうはん
実践男子大
東京男子大
御茶ノ水男子大  
東京男子体育大
東京男子医大
東京男子美大
一貫して辛く抱きしめる強さ
大切な教訓を何度も教え
東京男子大学
男子プロレス
さかなでしこ
身近に感じられるよう助け短大
逆撫出四股
しこたま神社
魚のくせに手が
あるので神経を逆撫でされる

11.12

郵便配達夫を追いかける

私とは
出されてしまった手紙
封をされて
呼吸している
紙でも肉は切れる
開封されてしまったら髄まで断たれる
骨を継ぐのはセメント
樽の中でランガージュが回っている
血と骨
言葉とセメント
血も言葉で継げるか
ウイルスで刻印された血は開封前の赤紙
食事のたびに欠ける歯の
軽さに苦しむ
禁止された黒白鍵盤の
陰鬱な漆喰土塀の街並みを
ランガージュが走り回る
歯並びは土佐電鉄のように
「ごめん」と「いの」を行き来する

11.13

倉敷

リーヴァイス
は奥の奥の影。
長い鞘が残酷に揺れる
プラモデルの箱のように
山間の家々に暗さをもたらす
四角く切った屋根から落ちた子供のために脂肪を捧げる
赤白青の的の描かれた家の漆喰の外壁に向かって
薪の上に並べたウェディングドレス
穴の開いた樋からは鯨脂の白が流れ落ちる
次から次と病気になって
ヅカファンでアルフィーの坂崎が好きなトリコロールの真由美が
ヅカファンでアルフィーの高見沢が好きだった倉紡の元同僚に書く手紙に脂肪が吸い取られていく
落下地点を的にして潜らせる針の

11.16

No New Ark

あわあわと透けるのは蘰
午前は昇る落陽
扉が閉まるまでにはまだ昼食が
あゝ扉は人手によらずギィーッと閉まったのだ
(メトセラが生きてるひどい映画があったな)

11.17

intervened

新しいローソンがトラックを五台停めて浮かび上がっている
ラジオからは魔王が流れています
攻撃にさらされている
シューベルトのように

わたしは失敗している
動画をスローのスクリューにすると
勝手に明かりが点い たりする

やばい
やばい
やばい

父が音を立てて見回る
ランドリーはばかでかい

顔を
消去してゆく
センターラインを超え
身動きを取れなくしてゆく
目玉
携帯がびーびー震える

僕はあの温泉が嫌いだ
菌がいっぱいで

ファーター!
ファーター!
魔王が見える!

それはおまえに隙があるからだよ
たかのこの湯はちんころの湯だよ
黄信号が点滅する吹雪の道で
音を立てて見回る

くめの湯に向かうよ
BOSSの自販機があるから
地球だと分かるよ

11.18

熱力学の第二法則

二番町の焼けたくるきちのことを書こうと思ったけれども
まだ騙す人が沢山立っている戦後で
柳の下にずらりと並んだ屋台の
砂糖でくっきりさせた敗戦の甘味が
棚引いて
棚引いて
無いはずの時間が
曖昧な近い過去の
熱量の落差ゆえの現在となって
かめそばの上で削節が踊る
抗争の北京町
組員皆殺しの夢を見ながら
湯割りで調節する熱量

 

11.19

塩釉の砥部

父の遺品まで全部焼いてしまった後しょうがなく炭を買い足しに行った帰りマスクせずにローソンに入ってカツ丼みたいなやつと和歌山ラーメンというのを買って車で食べた
恭子さんが聞いたら卒倒しそうな最低の土方の食事である
温度が上がらないので他のことはどうでもよかった
軈て煙突がぬけて白い火が吹き上がった

11.20

健気さがない場合
zoomの背景設定は意味を成さない

bamdcamp
https://torikudo.bandcamp.com/track/zoom

 

健気さがない場合
zoomの背景設定は意味を成さない
生まれる前からやっている
生まれる前からやっている動画にマージせよ

生まれる前からやってるバー
生まれる前から張ってるフロンティア
生まれる前から流れてる動画

健気なバー
健気なフロンティア
健気な動画

11.23

クラスター

最後の日々に偽りは一定の役割を果たす
集まることができるからだ
二番町の会員制スナック真野に発生したクラスターは
下半身のないzoom勅語のカウンターをもたらし
心のどこかで同調してしまう紫のネオンの
一一月はとりわけ
鷺の往来烈しく路肩に横たわるハクビシンらの
trustworthy
ボリビアのラパスで家政婦をしているエマは
透けて揺れる葉っぱ以上のものを見た
つぶらな形の頭の中に光りは仕舞われていった
戦争に深くかかわり合っていたことは明らかです
祈願の両翼型は無意味である
わたしは聞いていない
再び暴力行為の正当化について
良い人なんだけどバビロンの娼婦を誤解しているから
すり潰してサラ地にする
真砂土を撒いて
真砂土を撒いて
好転させる
老齢や事故で死ぬことはなくなりますし
trustworthy
平和な時を活用して軍事力を強化するアサ王に対して加藤典洋ならなんと言うだろうか
免疫力と言い換えればどうだろうか
見えない軍事力とは常に最終兵器でなければならず
未来があってはならない
それは見えない一つの石飛礫でなければならない
それは言語を準備することだ
言語が石礫なのだ
見えるハト派と
見えないタカ派を撃つ
木造の枠組を下から見上げ
尻を暖める
想像力とリサーチで
思い違いをしないように
全ての人から憎まれることになるとリナちゃんも言っているではないか
いつまでも退けられる

 

 

11.24

海面近くのバブルや前世紀末の非線形の展開の速さを知らずに海底で引き摺られていた痕跡のように

線形がないことが線形なのではないか
複雑系が単純の裏皮なのではないか
曖昧な過去が愛の熱の標野なのではないか
時間が存在しないことが時間なのではないか
自己形成を完了し脳の中で思い出は
過去から順番に平然と並んで
いじめられたことは覚えてないと言う
楽しい思い出しかないと言う
海面近くのバブルや前世紀末の非線形の展開の速さを知らずに海底で引き摺られていた痕跡のように

11.25

違反者

免許センターに行った
ナビに頼らずに行った
都営の応募の、灰色のC層を予想した
途中吉藤の、
借りようと思っていた窯場を過ぎた
朴の木のある
東京弁の女だった
五〇〇〇円くらいだったら陶芸教室に入ってもいいわよ
あの頃は金が無かった
セブンに寄った
時間はあると思った
そこであっさり命を落とした
そうしたら三種類の電線が面白く見えた
しかし矢張りバッドラックに引き返した
マスクを買うのは生まれて二度目であった
まさぐった
掃除婦が同じマスクをしていた
倫理がなければ詩を生きても意味はない
非常に分厚くワックスが塗られている

飴のようだ

11.26

白のエチュード

 

パースを基に突点を結び
キュビズム前夜のように
ではなく
面を塗る
透明度の高いメディアを使い
重なりを細めの帯として
線の代わりとする
棄てる米を捨てない米の上に棄てるこの女と
また出会えるだろうか
「白のエチュード」は
ベニヤに直に塗られていた
柿畑に仕込まれた鳥追の
猛禽の叫びのループに
いつかひび割れる脳

11.27

時間の合鍵を渡してしまった独身の身体或いは

時間は一瞬に充満する
合板の天井が暗く燃えて
視聴の環境は整い
簡単な絵さえ描けぬまま生きる
言葉を覚えた鳥が
I love youと言って死んでゆく
平和だなあ
日常の食物を使って
感謝を表せる
私は汚物なので埋めてください
包丁持って隣家に怒鳴り込む
偽物のおでんのような夕暮れに
可愛い女の子が丁寧にお辞儀して本を借りてゆくが
食事に与(アヅカ)ることは出来ない
それとこれとは構造が違う
写真などいくら撮っても無駄だ
苗字など無いと思え
火を絶やしてはならないがその伝承は間違いだから
おでんは無理だ
合板の家の中で
恋ではない罪の犠牲は定められていた
京都が嫌いだ
黒白の事務員は好ましい
先々のことを心配するんですけども
一日生きられて
最大限の憐れみ深さをチョコに沈める
オーデン詩集の出汁に宝石
奪い取ったり騙し取ったり
朝まで夜通し焼く
着替えて灰を捨てる
丸ごと焼く
吉岡実が使った燔祭
政府と結び付ける 棒
棒と棒が会話している
棒が棒として三島を打つか
この前会社で
コロナが合鍵を使って異物に入る様子が精子に似ていると話しましたね
〽︎でも見てよ今の僕を クズになった僕を
サンタクロースじゃないんだから
ゴキブリとカマキリは親類
刃物を持って隣家へ
鹿沼でクレーン車が登校の列に突っ込んだ事故は覚えてますか
六花は隣接した時間しかないことの証拠で
松山千春は室野井も呼吸する北海道のドン
黒と白だと思っていたら灰と白で誤魔化された
おでんみたいに誤魔化されて
ライトは上向きがデフォ
もう連絡先が分からない
全身とは言わず全宇宙に転移してほしい
空が赤いのだから
ずり落ちそうになり
直し
ずり落ちそうになりながら
直す
ずり落ちてくる空に
傘の棒杖を置いて
座る
四十日食べなかったら
その椅子が見える
団地ともおでもいける
時間は一瞬に充満する
そして未来ではなく現在が終わるだけなのに
合鍵を渡してしまった

 

11.30

語彙詐欺にスピーチ

 

人生がまだまだ続くと思ってる奴にいつかの秋晴れに透けた月の栄養のなさを知らせてやりたい
人生がもう続かないと思ってる奴にはいつかの赤色矮星なみに肥大した明け方の月の入りを教えてやりたい
菌が這入ろうとする幻魔大戦の身体には卵子が合鍵を持ったオレオレコロナに騙されないような被災者に寄り添った援助を考えていきたい
帰り道、五日連続で同じ路上に立っているゴイサギに今日もスピーチする
ダルそうに羽撃く彼女の馴れ馴れしい眼がいい