浜風文庫2023.1
1.2
電車の中で眠る
夜になると石灰化する頚骨が鳴り始める
羽に埋もれ寒さの下を潜ろうとする
指の付け根のように谷は山に食い込む
藤色とライトグリーンは永絶には似合わない筈だ
賢い人も愚かな人も、人の記憶にいつまでも残ることはない
月日がたつと誰もが忘れ去られる
住んでいた場所でも忘れ去られる
電車の中で眠る
森の中ではない
先回りの死者として電車の中で眠る
内回りも外回りもなく泥になっている
深爪のように
1.9
接続詞で繋いでみる
Aber
FMで82年特集とか
泡立つほどにまさに敵だな
理由は倫理的なものではなく技術的なもので
要するに音程や音色の選択が音楽に追いついてないからだ
そういう点でわりと憂国というか恥ずかしいんだおれは
Aber
地区、音乐与实践region, music, and practice」というタイトルがいい
https://www.instagram.com/p/Cmy5_DjNz0V/?igshid=YmMyMTA2M2Y%3D
Aber
4は地的な完全数と言われているが東西南北のことではない
それは1+1+1=4であるような次元の話なのだ
例えば3人家族という三角錐は4面を持つ
フラーが言うように、ものごとは4によってはじめて稼働するのだ
Aber
フレディグリーンて石渡が好きだったな
Aber
アーメン
とは
暴き出す
ということ
Aber
ヒロシです
一日一日が正月です
ヒロシです
毎年毎年が忌中です
口が裂けても明けましてを云わず、賀状の返事も出さないのでこれで勘弁
拾ったペンで髪を撫で上げた人に毎日が正月ですヒロシと返事して安らかに墓に入ると言わしめながらネコに殺される
名を覚えられないまま再建された天神に登る石段に人骨を焼く煙が全てのイントネーションを裏切って
針が振り切れる
Aber
一瞬でニカさんと渋谷さんと分かる凄いな
「離れていくなんて臆病です
の発声が良い
「幸せはつるべおとし
のデュエット部分 とか
「さっきはごめんなさい
の傲慢と謙遜の針の振れ
オザケンはあんまり
でもライザみたい
とかいってるうちにサキちゃんちに着いた
Aber
https://youtu.be/6mjbQW1Yt0E
昔鈴木君や山岸君がすのすの言い合っていた頃僕の雪ですの?を浩一郎がえらく評価して雪の倉に納める勢いでいやちょっと待てこれは凄い雪でしょスノーでしょとぶつぶつ、急に思い出した。
生きていたらえ、マイケルスノーは死んだんdeathの?と言うことになるが、今度は受けない気がするなんとなく
Aber
今日は公園に誰も居なくていつもみたいにわあわあしてる図書館車動画を挙げられなくて子供が来なくなった良寛みたいな気分だ
Aber
竈馬を食べた輩のブログに「うまい」とあり馬だけに、と思う
Aber
音楽にはもう動向なんてない
去年のベスト10とか得意気に人の音楽を選ぶより自分の身辺整理の方が先だろう
知り合いの生き死にの所作に目が行くぐらいだ
竈馬は光には反応しない
息を吹きかけると飛び上がる
Aber
夢が自由というのは障害物を出す自由であって
そういう意味で言うと自由民主党というのは自由に膿を撒き散らすことの出来る夢のような党である
夢のようなとは緩むということで
歯軋りしながら緩めるという曲芸であり
大道芸より難儀なことを毎夜
主たる民の身体は行っているのである
1.16
Nightshift
1月9日
猪の肉饅なんかだれまりは食べれんよ
1月10日
前にウェールズで焼き物のフェスがあるというので出かけたら日本の〇〇焼祭りといったものではなくて、普段一人で仕事しているstudio potter達が集まって楽しむためのイヴェントなのだった。速成築窯や超大物を挽く実演の他にも有志のバンド演奏などあり楽しかった。音楽家達にも応用できる考え方だと思った。
1月12日
ボウリングのピンのようにウタモノは倒れた
ケダモノだったので焼き払われた
最下層の住民だけが生き残った
生き残って夏の果実を集めていった
カラーフィルムを貼ったモノクロのジャケットのように
確かめられるんです
まだ水筒持って映ってんのか
使い古したマスクで窒息しながら
歌おうとしたが
窄んだ肩では菌に立ち向かえなかった
全ての船員を鎖輪と考え
倹しい発泡のものごし生を
リフォームする鯨の枠組みの内部で飲む平和食べる安心
大リーグボール養成ギブスなんて着けるから伸びなかったんだよ
胸襟を開いて
全てを終わらせます
大本営発表の声色が
白亜の岸壁
砂糖漬け
レゴのようなものが散らばっている
1月13日
モールの中の郵便局から今送りました
レター・パックに書き込む時、充電器とかを入れたレジ袋を忘れていて、すぐに取りに戻ったら取っておいてくれていました
タリーズでダブル・エスプレッソを頼んだら普通に小さいカップで出てきました
愛媛がエスプレッソを理解するのに20年かかったということか
1月14日
ナイトシフト、という曲を歌おう、という心意気が泣けるんだな
夜勤の皆さんお疲れ様
https://youtu.be/GsTKEQzLkmw
雪の山というのはスマホでは撮れないので遠近法を壊しながら雪の山をあなたにあげたァ!と絶叫しながら肉眼で見るものだ。ニクガン。肉の眼。これで分かっただろう。イカレポンティ。
宇宙を通して行く道は塞がれた。生物を通って行く隘路も障害が多い。今は地中も狙われている。最後は言葉のみだ。言葉を扱う者たちの血飛沫が上がっている。高慢さに対して身構えなさい。
スピノザはスピっていたのではない。健康が命より大事というネタに忠実だっただけだ。遁走する数学者のばら撒いたパズルを見て、嵌まることは夏椿の陰に優る、と。
1月15日
滅ぼされてしまうからという動機だと力にはならず、滅ぼされても良いという考えに横滑りしやすい。集まって野菜作ろうなどと言ってはみるものの愛の言葉は立たない。
1.30
まだまだ硬貨が必要だった頃僕は
ねにうえお年金一万五千円
ラりうレおウララ宇宙の風に乗る
まだまだ硬貨が必要だった頃僕は
工事中のハイウェイの下道を
白黒アフォーダンスに先導されながら走っていた
ナビは凍結注意を連呼していた
雪曇りの旋律が幾つも消えた
金はいつも
無駄遣いだった
仏語では右はいつもストレートに正しかった
不具合でさえ
正しかった
tout droit
国道のような人生があり
県道のような人生があり
農免道路のような人生があった
しかし私道は必ず行き止まりになりながら楽園に肉薄した
肉薄!
星のように裏側から肉薄した
ハイウェイから零れ落ちる者たちが舞った
それらを仕舞のポーズで見舞った
それが無頼というものだった
雪山は巨大な蚤が現れたようだった
それなのにパジャマのまま犬を散歩させていた
バサバサと書類は飛んだ
ひとおもいに退職したかった
やきとり屋はぼるがといった
大鋸屑の備長炭を使っていた
押し固めたチョコレートのようだと思った
遭難の際にはチョコレートが必要だ
今年ももう終わった
芽吹くのは、嘘だと思った
カラスはジグソーパズルの欠片のように空に嵌まっていた
落ち葉も細長い枯れ草も先を争って旋回していた
車たちはいろいろな色をしていたが昼のチャイムのように無意味に思われた
寒さは色にまさっていた
陽性の一人身は枯葉が見舞ったが
「凍(いて)」は孤独さえ孤独から引き摺り下ろした
国旗のはためく建物は注意深く記憶に収めた
ワシントンヤシのある、、
日の丸と星条旗と寒さが競っているのを志賀直哉のように観察していた
間違った黒を着ている人が多かった
桜の木のような黒であるべきだと思った
バタイユが冒頭で失業を出すのは狡いと思っていた
(ただそれで仕事・青空という曲を作ったんだった)
脳梗塞の祈りが蚯蚓の原を堰き止めている
ヤベツ校長の3つの願いとは校区を拡げ共にいて
災厄に遭ってもメンタルで害が及ばないようにして欲しいということだった
理由を知ることによって戦いを進めることができる
分画は感情と同じくひとの全体ではない
自由意志は愛のドームの境界内にある
感情ではなく原則に従って良心が働くようになればいいのに、と思った
まだまだ硬貨が必要だった頃のはなしだ