tori kudo

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浜風文庫2023.10

10.2

日が暮れるまであと少し

荒誕祭

やば豚でトン活
普通の道を歩いていても蜘蛛の糸を突破しているらしく顔や手に貼り付くのを
あれはアレチヌスビトハギ
廃船にいつも居る三羽の鵜が小鷺に挨拶されていくのを受け流して 童話のような親密 でも風が吹いて来た
それはアカクキミズキ
秋風や逆さに振りし頭陀袋
これはカキオドシ

モールで働らくおねえさん

脳味噌やられたおにいさん

日が暮れるまであと少し

充分寒いと思うけれども
地球に払う時給がない
生きをするように息ていてと言い切ってみると夜明けの三つの音がして刺身しかもまかない軍艦
走馬灯死ぬのかなを三回言って体の電源全部切る
衝上断層に今年もようけ落ちとるけどわしとこ以外誰も拾いやせんけんの

モールで働らくおねえさん

脳味噌やられたおにいさん

日が暮れるまであと少し

恋ヶ窪で必死にネトウヨを構ってあげようとしている男がプツン
ほら映画でよくある握った手を離してしまう落下寸前の

糸魚川で左右に割れて離れて行くよアクリル板もなしに
互いに見下ろす断層面・断層面
連絡船のテープみたいに

モールで働らくおねえさん

脳味噌やられたおにいさん

日が暮れるまであと少し

会場で打ち上げってなんだ 唐揚げとか出るのか唐揚げとか
ハッピーターンとか出るのかハッピーターンとか
ハッピーサッドとか知ってるのかティム・バックレーの
煮凍りみたいなやつじゃないのはたしかだ
前もってきっとそこの格差だ
離れていたかった鱧の死体だ
サードウェーブなんてとうに終わり何周目かの深煎り
バスケットボールを腹に入れて寝そべってオペラを歌っている

肋の如き刷毛の白

モールで働らくおねえさん

脳味噌やられたおにいさん

日が暮れるまであと少し

敗戦 僕とは敗戦に帰した全能感 全脳が泣けた マジ泣けるッス 善のうたうたうわたしに それは歌だヒカルだ ゼレン味のあるスキーム夏のゲレンデ アジェンデにチャボがフルクサス草津花柳病 加硫の巷膀胱癌いかんがな彼岸花脳死の牛脳死の牛No豚の囀り
ゲーテは精神だけは進んでいくと言うけれど5G端末がアタマの近くでonになっててもそうなのだろうかとてもそうはおもえない材木デスじゃろアルジャーノン

モールで働らくおねえさん

脳味噌やられたおにいさん

日が暮れるまであと少し

再訪問への暗礁
曲解セルフポア*
ロールオーバー亀之助
2p 3:16の逆向加速主義
隙間産業的更地としてのナイーブの道連れ
アカアシドゥクラングールの肖像

モールで働らくおねえさん

脳味噌やられたおにいさん

日が暮れるまであと少し

肉に沈んだ爪の
細すぎるフォントの
海に消えかかる
外延の明晰な十六夜なのか
反転した海と陸が左右の思い出を交換しているのを
眺めるだろうか
眺めるのだろうか

モーニングが目玉焼なのはとてもめずらしい

 
https://courrier.jp/news/archives/328823/

 

10.9

Reasonable

柳で作った神輿をハマスの人々が担いでいたま
柳の木で作っ
柳を自分に似たものとして作った
どんなことがあっても良い決定をする事が出来る
雨は蕭々と降り人々は濡れ乍ら公民館に集まっていた
乳香を置いたりしてはならない
小麦2リットルに油や乳香を置いたりしてはならない
劣等感を感じたかもしれないが
捧げるといえばと山ばとは渡りをしない
いえばとでいいから
麦粉
血を流さない麦粉で
電線を通ってゾアルヘ
電線には蜘蛛も
貼り付いた白い空
癒して欲しいと
赦し
白い空に貼り付いた樹々の緑
シルバーの車体の奥に白その奥はピンク
雨滴
白い空に泰山木が中生代の図絵のように貼り付いている
ピンと跳ねた屋根瓦の端が
神輿を担いでいる
雨滴は透明に透明を重ねた汚れ
現実を担いでいた
一日一日の現実を担いでいた
山は白に白を重ねて汚していた
くよくよ
ルーマニアから来た
緑はた易く歪んだ
焼杉君は縦に貼られ
浪板は留められていた
雲は僅かに渦巻を帯びてきた
靴下が一番大事で
夫を殺す
夫デスノートのように緑
車たち
相手を尊重する言い方
過ちを侵させる
過ちを侵す相手を尊重する
分別は英語で
髪型といえばルール
ルールなし
ルールを作ることなく髪を切る

お、ルール、髪切ったの?
寒い
胃が空
服かあ
心の房べり
病院には行けないからなあ
或る日と或る日の違いを確信
或る日は別の日に優っていると
各自が得心していなさい
完全な実現は健康だけです
イリョー行為
高齢になってくると遺された発達は
いつまで生きる雨粒
中に桐は居ない
柳と桐か
しなやかさは昔から
分別は英語で

10.16

牢獄から鹵獲

いつも反対側から考え直すこと

いつも別のことを考えること

愛においては共有しない一点を持つこと

内にいるのに外にいること

 

10.24

英語は最後の最後まで主要言語である

バットマンのような菱の実が丘々に散開している
映像は半導体に関する到着予想ナビのようなもので、小津は吸収され茶の湯の日本はもうない。(反日どころの騒ぎではない。)
どのショットにも日本消滅後に撮られたという刷り込みが確認される
英語は最後の最後まで主要言語である
そんな風にして仕切り直しの猶予みたいなものの最期がやって来た
食客の「今はここで暫く遊ばしてもらってるんだ」というクリシェの後に必ず出入りがあるように
四駆の車窓の風景は必ずスッパリバッサリ斬られる
接種済みの各兵士にひとつ張り付いていたロケット弾が頭頂に触れる
それが菱の実の形をしている

国家国家国家スパニエルと騒いでいるうちに御輿から振り落とされて肋を折る者は昔から男女問わず切りたての晒木綿をりゅうと巻いていて、それに血が滲むのだった
彼らは国家国家国家スパニエルと騒ぎ立てる静寂を予表していたのだ
騒ぎ立てる静寂は溝(ドブ)の上澄みの透明に似てエメラルドの暖かみはない

国家はいつのまにか主語ではなくなっていった
主客で「遊ばしてもらって」いたのだ
元々が雑魚なものだから、人称沙汰があれば主語と言えど簡単に殺される
映画はarkだからだ
その上の静寂をこそ振り落とすべきなのだが
担ぐ衆にミキを与えて反シオニストは身を隠してきた
酒を造る者たちはそれで儲けた

主語国家の目眩しのラッセラ製薬一世風靡YouTuber換骨囃子が大後悔後のスパニエル並に縮小するだろう
かといってUNはTVパーソナリティにはなり得ない
それは海上タクシーのようなものだ
Take me to the other side of the island!
あるいは島に続く浅瀬を渡る御輿そのものとなったフェリー
主語のpseudo引き潮ニストはハマチカマス養殖業者でもあり
投げ落とされた主語としての準国家汎国家の演出に携わる

御輿は正しくなさの半面にすぎず、深煎り150ccと決めた正しさの数量で言えば四分の一しかない
正しい御輿の上にも正しくない御輿の上にも平等に娼婦が乗る
空飛ぶゼカリヤ計量カップの中に坐る邪悪のように

10.30

雲を描く

縫いぐるみの尻尾のニ線の切り結ぶ哺乳類の目付きに動く大皿小皿
複合的な大小のからくりが組み込まれた洗濯機のような構造を考えていると嘔吐せざるを得ない
歴史を定点で観測する百葉箱的な設え
アレウトAleut

火によって明らかになる
焼いてみたら分かる
土台があるのに焼け落ちた
弱い部分を補強
土は燃えない
雲を描く
土台の上に建てたものが燃えずに残るなら
ひと言の土壁
ひと言の土が塗られて
燃え残れば
雲を描く
雲を描くことを考えた
辛抱してくれていると思うと安心する
鳥の視界に 頭蓋の中を 置き換えて
風が強くて寒い
辛抱強さは過渡的な側面として強調されているのではない
それは元々全体の中に含まれていたのだ
風が少し冷た過ぎる
クラフトフェアで辛抱し
アートフェアには辛抱しない
農家の人はコントロールできないことがある限り辛抱する
待っている間 優先順位を守ると 辛抱が勝ってくることがある
待っている間 畑仕事よりも優先すると 辛抱が優ってくることがある
待っている間待つことよりも辛抱を優先させる

雲を描こうとしている
筆は使えない
ターナーとか絵筆だろうけど
滲ませるといいのかもしれない
白は輪郭がはっきりしている
鳥は相変わらず電線に止まっている
鳥の脳内に置き換えることは忘れていた
鳥は雲を見ている
風が 寒い
漫画のような雲は描きたくない
字体が空に浮いている
柱とポーチはローマを排したことによってさびしくなっている
彫り物のひとつもなくて末世かな
オレンジの酸化焼成の屋根の一帯
この無装飾も辛抱なのか

辛抱されている時間

すぐにキレない
あ、鳥はいない
それぞれが負っている
メタモルフォース
個人的に体験を通して当て嵌めることを待つしかない
待っている間は
チョッキを着て辛抱
疑わなかった
クラフトフェアはもう寒いだろう
試飲の紅茶を一杯貰い
辛抱は冥王星のように遠くて近い
もっと穏やかで幸せな気持ちになれるし、もっと健康になれる
自分では無理

引け目からからくる辛抱と雲との違い