浜風文庫2024.7
7.16
オイル交換
場所がなくなることなどどうでもいい
頬を掠める銃弾も
津波と野菜に比べたら小さい
ただ津波も野菜もヨモギとミントのスピリッツに比べたら小さい
世話する動植物を眺めてから
〈水田商店〉でオイル交換する
高い
高くなってる
でもどうでもいい
〈水田商店〉まで水は来るだろうか
インフラが止まって泣くだろう
いやだなあ
下草刈り
いやだなあ
大陸棚
いやだなあの微積をスクワットする
インフレが止まって円高となるだろう
頬を掠める銃弾にボーフラが涌く
今回はフィルターとエレメントも換えますか
〈いえ〉〈はい〉現金で
ブダペストでナマハゲそっくりの面〈が〉売ってた
ゴミの仕分けのように暗い明け方
すべての筋が緩むときに
水田の音楽が鳴る
https://youtu.be/XtdNdOTyHSo?feature=shared
7.9
bad news
bad newsを嬉しさに利用されてbad news bad newsを私たちは呑む
good newsを撲滅するためならなんでもする
前座のフォーク野郎がフリージャズになって騒ぐ
それでは最後の曲です「星からの悪い知らせ」
黒いミルクに白いコーヒー
bad newsを嬉しさに利用されてbad news bad newsを私たちは呑む good newsを撲滅するためならなんでもする
7.1
イスタンブール
最後の蛍、
非望の極みのようにしてきみは飛ぶ
あなたは優しすぎる
まだ間に合う
まだ間に合うと言い続ける
投獄の朝は突然来る
悪いことを行なわせないための投獄
良いことのために投獄されたのではない
晴れがましさを覆う詠唱のクルアーン