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2015.3.29 徳島 bar txalaparta mshb(ドバンド)

3月29日 徳島 bar txalaparta mshb(ドバンド)

徳島の矢野君が、「ドバンド」をやってくれと、わざわざAWA ART FESTA #2なるフェスをでっち上げて呼んでくれた。

灰野さんに会いたての頃、昔やってたバンド、えーと、なんだっけ?ミートローフ?と言ったらロストアラーフだよ!!と怒られたが、セッションで一拍子をやって、「これがロストアラーフだよ!」と教えてもらった。ドバンドはそれを基に縫うように <ド、 ←ド(少し早め)、 ド、 ド→(少し遅め)> のループの一拍子をやるプロジェクトだった。法政の時は一晩中やってたような気がする。竹田さんに、「何か苦行してるみたいだねえ」と言われた。一〇年くらい前にもロフトのマヘルでやった記憶がある。あとは故福田君たちと香川で。一拍子はマヘルの基本だった。新しく入った人はまずそれを練習した。前に進むにはそれが必要だった。ほらほらこれがonとoffで・・。

今回は、一拍子に加えて、そのドのルート音を環境に規定された波長に合わせる、ということを加味することにした。石坂浩二が、ナレーションの秘訣として、喋る旋律にも長調と短調があるから、画面の音を聞いてから音程を決める、と言っているのを読んで、それまでの、ピグミーの合唱のやり方に基づいた、自分の体調によってルート音を決める、というマヘルのやり方がどこか利己的だと思うようになったのだ。喋る旋律にも長短三度があるから、ナレーターは音を先に流してその場のルート音を決め、声の調を合わせてゆく。これが逆ピグミーだ。人が音に合わせるのか、音を人に合わせるのか、ということだ。それは実際的でもある。各人が順番に楽に出せる声の音程をルート音としていく過程で、他人の音程に影響されて自分の音程が変わってくる、というのはリハで何度も経験していた。それで一人一人離れてこっそり声を出すようにしたりしていたのだ。その考えを改め、会場全体の影響を受けた状態で自分のルート音を決めるという方法を認めれば、より合奏が場に響くことになる。

ドの音が演奏できれば誰でもいいです、と参加者を募集した。デヴィッドシルビアンがデレクベイリーのスタンダードに歌を付けた手触りを、ギターと歌で一人でやっていた人がテルアビブに居たが、そのようなことをバンドで行うことを考えていた。DJ 土柱こと矢野君がシーケンサーの意味を無くす手打ち一拍子を強いられ、ムネタカ君が触ったことのないバイオリンを弾かされ、礼子はリコーダーでわかんなーいとか言ってただ立っている様子が目に浮かんだ。