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2015.6.13 京都 きんせ旅館

6.13 京都 きんせ旅館

詩篇はほんとうはどのように歌われていたのかを、ユーラシア各地に散らばったシナゴーグに伝承される旋律の比較言語学的な検証によって原像をあぶり出す、という研究の成果を収めたレコードがあり、90年代には愛聴していた。ジュヌスというフレーズの、_点ではなく線の束の集合であるその旋律は無調に近く、後代のグレゴリオ聖歌の単_声のモテトの陰鬱さの影響を差し引いても、ゴシック様式の通奏低音を飛ばしてジョイ・デイヴィジョンのベースラインに直結するようなものだった。その頃荻窪にあったグッドマンで毎月ピアノを弾いていたので、普段は雅楽師である笙の人たちに、雅楽と_合う筈だ、という奇妙な確信のもとにその旋律をぶつけてみる、といった演奏を半年くらい続けたことがあった。

今回島原という旧遊郭地帯の古い旅館に呼ばれ、街を歩いていると、急にその詩篇の「モーセの歌」の旋律が蘇ったので、京都マヘルで笙をやってくれているゆれみさんに電話したら来てくれたので、久しぶりにそのオクターブのユニゾンの旋律を演奏したのだった。

今回島原という旧遊郭地帯の古い旅館に呼ばれ、街を歩いていると、急にその詩篇の「モーセの歌」の旋律が蘇ったので、京都マヘルで笙をやってくれているゆれみさんに電話したら来てくれたので、久しぶりにそのオクターブのユニゾンの旋律を演奏したのだった。