tori kudo

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Maher Shalal Hash Baz  ShowBoat 1996

1  テルミンとせみ

2  My brother(Reiko)

3  Highway (isaiah35:8,9)

4  わたしよりずっと(Reiko)

5  泉(Reiko)

6  Tiger lily(Reiko)

7  斜面の生活

8-30   Actus tragicus1995-6

31  心臓のない男

32  This fall(Reiko)

33  There the ships go (pslm104:24-6)

34  愛が物質だったら

35   わたしの足はきっと

36  慶応病院の唄

37  Round midnight

 

中崎博王 ユーフォニウム、ノーズフルート、ヴォーカル

大泉究 ピアノ、ヴォーカル

工藤冬里 テルミン、ヴォーカル、ギター

高橋幾郎 ドラムス

composed by Tori Kudo

except 2,4,5,6, 32 composed by Reiko Kudo,

and 37 by Thelonious Monk

 

 

Actus tragicus1996 墓川雪夫(2011)

 

最初と最後の蝉の声はカセットで録って流した。

テルミンの旋律はワグナーの「温室にて」が下敷きである。

キワメさんの歌は五年後に礼子本人によって歌われることになるが、その「夜の稲」で

四は「開発さん」という名前に変わり、六のアイディアは母音子音を歌い分けるまでに進んだ。 

三六だけ一九八二に作曲されたが、残りは大体一九九六当時のものである。

三七はアンコールとして演奏された。

 

 

わたしの足はきっと

 

わたしの足はきっとよろめいてゆくだろう

わたしの足はきっとよろめいてゆくだろうと

わたしが言ったとき

 

 

斜面の生活

 

体が動かない朝 言葉だけが出て来る

予定があるのに散歩しか出来ない

すべての散歩の詩は停滞のロータリーを巡る

枯渇した霊の木立を秋の写真が切り取る

それを見て黙すなら

君の午後はいやされるだろう

再び見るためのすべての散歩の詩は

君を振り出しまで戻してくれるだろう

しかし倒れた人形を

再び斜面に置くだろうか?

斜面についての所感派には

想像も出来ない朝10時の支えがあるというのに。

愛が物質だったら

愛が物質だったら

どんなにいいだろう

愛は玉のようなもので

父から譲り受けるものなのだろうか

 

 

My brother

 

I live because you live

Don’t leave me here alone

my brother

But I ‘m not alone I know

 

 

わたしよりずっと

 

わたしよりずっと高い木をながめてる

わたしよりずっと高い山にかこまれて

わたしよりずっと深い梅をおもいだす

だから 心配しないで

わたしの愛はわがままなこどもだから

 

 

Tiger Lily

 

へやのなかに

はなとわたし

はなはうたう

わたしのかわりに

はなはゆっくり

かれてゆく

 

 

This Fall

 

This fall

I fell to the ground

From the ground

I looked up the sky

Then I remembered your words

Like heaven is higher than ground

your kindness is rich upon us

 

 

心臓のない男

 

心臓のない男

力の中に置いてやると喋り出す

心臓のない男

死人の前では死んだふり

心臓のない男

角度を変えてやらないと決して光らない

心臓のない男

アイドルが居なくなって黙りこむ

 

 

慶応病院の唄

 

目を閉じて首を左に傾けた

病院の仕事にぶつかりそうになって

あなたは何処から来るのでしょう

目を閉じてしまうぼくのような町から

あなたの前にぼくが現れて

前線の城は散らかっていた、と伝えるのです

愛することが何になるの

この町からも目を閉じて出て行くんでしょう