tori kudo

Back to the list

花づくし

世から出るのか世が過ぎるのか
白い交差があるという  
桜の園に立ち止まり
逃げる間もなく死んでゆく

赤白水木に香典袋
かつて父も通った 典礼の並木道を  
売られてゆくのは時間か唄か
買い取る金は誰が出す

裏を裏返して咲くつつじ  
裏には何があるのでございましょうか  
わかったふりして表で死ぬな
魂も命も共にゲヘナで・・

終わりたくない百日紅
落ち始めているものがあり  
終わりはまだかと見張りの者が
メディア・ペルシャの夢を見た

夏の知識の重みに耐えて
うなだれているひまわりの  
髄膜炎のうなじの強さ
いつまで立っていられるか

犬ころみたいな無花果の
実と葉のラインが繋がった  
マンガのせんはやさしいが
実を産み出さぬなら枯れちまえ

彼岸も此岸も真っ赤に染まり  
咲きすぎていた曼珠沙華  
許されてきた悪のいわれのように
旅から帰ればしぐれていたさ

国を覆った泡立ち草に  
苛立つ人も消えうせて  
鉄も粘土も共に砕かれ