静岡17 不忍
木を切る百姓が僕は嫌いだ 折角生えた桐なのだから、娘が嫁に行く時に箪笥を作ってやれば良いではないか
庭木を切る家も僕は軽蔑する 切るくらいなら植えなければ良かったのではないか
家よりも木の方が大事だということを家は分かっていない
落ち葉を掃くレレレを僕は哀れに思う
植え込まれたのは底の浅い封建であって真の管理ではない
這い上る蔦の根元を断ち切る壁を僕は憎らしく思う
間違っているのは素材であり工夫すべきは屋根の方だからだ
今は忍冬を愛でる季節であり
忍んではならない池もあるのだ