◎2011.10
広島
十円くらいええけー
と言う反面
お好み焼の構造の中から千円を抜き取られて
宇品二丁目
宇品三丁目
宇品四丁目
宇品五丁目
宇品港
ずっと前から汚染され
汚染の品格さえ漂う
サンドイッチに根が生えて
若い警察官の痤瘡
処断された走者を見下ろす
柿の実のかたさ
not to be held
seasoned runners
暗い夜
もう一台入る
目立った共同体はなかったが
公共の場所に行く
桐の枝は大きく横に伸び
ゼウスとヘルメスの上に
今日の夜は特に暗く
総会屋も声を顰める
月輪は消え
カステラに大吟醸を沁み込ませ
フルーツケーキにラム酒を沁み込ませ
ルカオニア的な縁日の暗さ
女たちは花吹雪の中誤読の神を追う
月蝕が始まる訳でもないのに神にされた二人は
黒い背広の肩が頼朝像の鋭角で
肺を忌んで息を殺したまま
凝っとしている
土俵がウェブに出現する
御接待の端が捲れて
進む蜘蛛
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息をせずに観る映画
毎日世界中で作られている
族長は愛を受ける
化粧は紫の染みのように広がる
声に混じる鋸
半透明な飛行物体
綿の声が拭き取る
目に見えなくて、それでも一致して、吃音達は、
誤解の地蔵を背負い
窮乏に飽き足りる
額は茶色いのに手の平は豚のように紅い
よくある薄いもえぎ色の
閉じた丸亀のような
地響き
の頻度
タッパーを持ち歩き
沈殿する 白の
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古井由吉の「槿」の冒頭
知識がないのに計り事を暗くしている
夜は血の色が見えにくい
そもそも命しか問題にしていないのに
日曜日のような暗さの中に矢を射るようにして
地声とウラ声が交差する 狩猟
柿のように打ちのめして下さい
喜びのない注射器
団栗のような坊ちゃん
河童のような
エストニアの母の話
マイクロフィルムの時代
三日間このズタ袋から空気を抜け
新聞に顔をうずめたまま話した
西側のほうが危険だ
突如留守電が鳴ることもあるのだ
マイクがラジオを拾っている
大事に していない
記憶
声の少し出る朝
息は少し長く
掠れた延命
微かな消費
世の中の律法たちが
遊具のように置かれた売土地
耳の高さで聴く律法
揃った目線の 原
急に震災以前のような平地
劣勢なのかススキ
軽い黄色に光が車輛を上ってゆく
タイヤのように押し戻される
主翼の厚みのような 時間
極端な水色の線
ドブ鼠の非リーマンの待合の中
今朝夫に死なれた女
トイレに頭を隠す
クラウド卵
目は頭の中にある
遠い夜
夜は遠い
夢の中では働いていた
土壁に文字が彫られて
鮮やかであればあるほど口籠る
木が倒れる
ケルブのように固まっているその赤の間を
入って行けると思っていた
西陽の結界
木のように倒れたまま
倒れたその場所にある
山は睡魔のように黒い
空飛ぶベッド
重ね合わせた手の
祈りのような教習車を
一本歯下駄が見下ろしている
尾骶骨の鉄橋を渡り
吐いたもんじゃに戻る旅役者が
蔵の中で計画を探り出す
腹違いの人生
焦げを召し上がってください
オリジナルではない芋のロック
十歳の僕をゲームの話で誤導する愛が
失敗した鉄板をスライドするショーのように
はなまるはこれで鰹節やめたんだよな
世界の終わりに耳がでかい
きみのもんじゃのために土手を作ってあげよう
決壊してもいいんだ
魔人ベジータ フリーダ
意外とけっこう強い
今日日記何書こうかなあ
50m何秒?
だんじょだんだんじょじょだんじょだんじょ
本当は娘よりも近い
姉妹
離れていくね
近づいてくるね
ボーニンゲン
仕切られた星空で繋がって
葬式前夜
青山の裏で
ナビは沈黙した
訛りのある イルカの背に
誇張法がつるつると折り重なり
折り句の 料理に定員はあるか
このネットワーク
新世界に鯖の背脂
審判者はつるつると折り句を畳み込み
わたしたちは常に何かの現代版である
関西弁、猪ではあるが豚ではない
白黒で撮る代わりに白黒を撮れ
雪原の女は灰色
黒ワイン
生きたパン
材料を問わない料理はモノクロだ
何を いつ だれと
つるつる滑る中二階のように遠い夜
新世界
圧迫された平坦さは
グレイゾーン
夫は亡くなりました
梅田
咎を引き罪を引き
スーツケースを開けるとパチン
what did I do for
巷の芥
東へ向かう車輪は暴風
だれひとりうとうとせず、だれひとり眠らない
光も
その上に落ちるその舌足らずの滴りのゆえに暗くなり
筑波
作られ配られたうたの背信
原野の上に
ああ誰も月蝕を見ない
もう死んでもいいほどおいしいものしか食べない
街は珈琲の酸味を除染しようとしている
幸福は見える
線量は見えない
左腕のアーガイル
安い部屋で
愛は耳のかたちをしていたが
いろはにほへとはちぬられていて
死は執事の右手の繃帯のように軽んじられている
アーガイル柄のうたは日溜まりに移動し
いまは遅れた電車を待って縺れています
all over
重ね焼きされ
poured, dripped, そしてsputtered
都市は 全員一致の 会衆であったか
美学は コンビニの書棚の
週ごとの心の書き板に
ピグメントは
流されたのではない
最初から失われていたのだ
駅の濃淡のようなもの
ガード下の滲みのようなものだけが残った
二つの駅の舞のようなもの
四人称の恋人が
他人より他人くさい自分の身替わりに 殺されてゆく
離婚した瞳は黒いつや消しの穴のようで
埴輪の犬のようにお相手している
汚染区域のように寒い夜だ
まだ雑音が混入する場所に居る
演奏のように終わりはない
きみがどこへ行こうと何を食べようとそれは場所とアミノ酸の移動に過ぎない
black bears being you
男がバナナを持ってスーパーをうろうろしてる
かなしみぺたぺた
かなしみこぽこぽ
かなしみこぱこぱ
かなしみびこびこ
10.12
渋谷www
金太郎で露出の絶頂にあったdjぷりぷり君のイヴェントに呼ばれた。石田尚志も出るというのでメタを意識した。映像と音を切り取ってサンプリングできるmadpadというiphoneのアプリを何台か使って、ピアノの各部を叩いて拾った素材を使って合奏する人々と、その様子をステージ上で撮った映像を、リアルタイムでスクリーンに映し出す、というのをやった。この日試されたやり方は、11月の久万美術館への予行演習というか、布石となった。この時はまだ、自分のピアノソロを聴かせることも半分意識していたが、打ち上げで行った浅草橋で、この日石田とやった寒川晶子に、ド音に調律されたピアノを弾くという話を聞き、大変興奮して、では自分は、久万美術館では、自分の演奏を聴かせるというより、ドから元に戻そうとする調律の過程を見せることにしよう、と思い立った。
10.14
天王寺gatto nero
音波舎の中沢さんが、ピアノソロで企画してくれた。普段はシャンソンをやっているという店内の、ピアノの横には大きな黒猫の人形があった。この日は雨で、ピアノは調律されており、自分の演奏を聞かせなければならなかった。しばらく外をうろついて戻り、「暗い日曜日」の情感で演奏した。
10.15
w/machiko sasaki
@kyoto engelsgirl
佐々木真知子は普段は古楽のチェロをやっているが、倉本君の企画によく来るので顔見知りになり、下司君が誘って、かれの父親の本屋でduoをやることになった。ガセネタの「父ちゃんのポーが聞こえる」をやった。ベースとドラムが加速して30秒以内にめちゃめちゃになる、という構成を持っているこの曲を、チェンバーなアンサンブルとしてやりおおせることができるか、ということに興味があった。
10.16
teradacho@avonparallel
はたさちお展のオープニングで演奏した。