◎ザリガニツリ 第26号 揚雲雀製陶所通信6 アメリカ
ザリガニツリ 第26号 揚雲雀製陶所通信⑥
アメリカ
レイン・フォレストに行った。インディアン
が道端で花火を売っていた。ボス猿に続いて
氷水みたいな川に飛び込めば死ぬかなと思っ
たが飛び込まなかった。仕方なくシアトルで
スタバの本店に行って帰った。帰ってから葉
山にジャコ メッティーを見に出かけた。解説
によると、ジャコメッティーは見えるとおり
に描こうとして矢内原氏をモデルに一日十時
間デッサンし続けたが、ある日とうとう一本
の線も引けなくなってしまった、しかしやが
て彼は、まだどこかに 希望が残っていたから
絶望したのであって、作品化への希望がなく
なれば絶望もなくなるのだ ということを悟っ
た、そうやって彼はセザンヌ以来の絵画史に
おける最大の実存的な危機を乗り越え、毎日
描いてはそれを夕方には消す、という作業を
続けたのである云々、とあった。希望が失く
なってからの動き方について教唆されたのは
始めてだった。
