tori kudo

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遠い夜

東電株主総会

 

株主が「我が社」という時の

いいようのない所有格が

立ったまま終わりを迎えている

 

オホーツク海のシシャモは

アルミホイルに溶け出した頭

を 横たえて終わりを迎えている

原始共産制のように

所有物は 分配されなが

ら終わりを迎えた 

伸びすぎたタンポポの中で

日光は 終わりを迎えた

 

ATMは 機能を継続し

たまま 貨幣は その交換価値

を 維持したまま レジや財布の中で 終わりを迎えた 

空気は

粒子レベルで 終わりを迎えた

 

街灯も 霧も 黄砂も

同じことだった

 

日本語は 相変わらず 話され

多様なフォントは 失われないまま

書物の中で文字として突然終わりを迎えた

 

黄色い車を買ったが

黄色い車の黄色は そのままに

黄色としての終わりを迎えた

 

パイプ式折りたたみ椅子が

蛍光灯の下で光り

光は光りながら終わりを迎えた

 

私は 私の株主総会で

終わりを迎えた

 

「あなたの舌は立派ね」といわれて

高台に逃げようとする舌は

発語の形を残したまま終わりを迎えた

 

終わりの前に

終わりは 終わりを

迎える

 

 

・ ・ ・ ・

 

次は絵かな

 

絵の終わり

 

抽象の線は検証されたことがない

 

関係性のないのが終わりの空間の活性だとしたら

 

線のイデオロギーに分解される

 

-線を引きながら終わりを迎えるな

 

株主の線を引いてはならない

 

 

 

 

 

 

追分

 

娘は

占い師になってしまった

ネットカフェで毛布を被り

占いのなくなる世の中がくればいいのにねと囁き合う

巣篭もりを断念するツバメのように

 

娘は

初めてぼくの名前を呼び寄せた

霧の中の紫の刀のように

課金された見えない電波の飛び交う村で

 

娘は

毎晩うたった

どのうたも同じだった

ジュヌスが表層土に染み込んだとしても

異貌の空が地面から生え

粒子の渦になって

DIVAのかたちを繁らせた

 

それから娘は

娘ではないものの一切を

捨象した

 

among the women

 

三六〇度から見られている

さまざまな視線の突き抜ける

土俗的な追分の 立体

 

 

 

 

 

 

(不憫な兄貴だ)

 

不憫な兄貴だ

白い船が海月の川を上っていく

敬子は桃色の泡を吐いて死んだ

あんたにゃ わかるめー

必要なのは情報じゃない 色だ 終わりは色だからだ

長い戦車が熱帯魚色をしている俺は本当は刺したくなかったムカデだ

万引きするならトタンの家から出て来い

万引きするならそのトタンの家から出て来なければ意味がない

各停のように追い抜かれるクマノミの色

リスまでマスクしてる

赤い舌のような携帯

ヒールはzucca

アンパンマン的な総体が被爆している

濃い緑と黄色と赤

赤旗白旗が点滅する

全ての色は愛していると言うがそれは五%しか信じられない

ガリバーがブラックスワンの真似をするくらい空しい

地均しの欲望

浮き上がる車の山吹

垂直に下に掘ることで子供の頬を守ろうとする

呼吸できない色がある

神社でさえvent=抜けがない

塞がれたドームの中の事象

北改札の物神性

レモンを口にくわえたまま死んでいく

銘柄選びに似たメタ選択

酸に逃げるベクトルが海遊している

 

タイ政府の援助で

レモングラスの学問

高木ルイそっくりのOL

日々ロックそっくりの上京少年

安岡力也似の役員

青い水からレモングラスに意味は変わった

色ガラスの街

レモングラスの切っ先がドームの内側に触れる

危機の弛緩とハードボイルド

あたふたするパーマネント

帽子の下の愛

帽子の上のドーム

背筋の音楽 哀願する眼

汎が窒息する

デザイン主義者のような努力

だから美学的結構の無意味

眼を閉じれば消える美

成長した恐竜のように

眼鏡をかけ直して

眼をしばたたかせる

地名性という岩の陰に身を隠しても

カレーのための香辛料を混ぜ合わせても

人の子は総武線のような各停で死に向かう

色のない緑の堀端

市ヶ谷のような入院や東中野のような介護〓

一つだけ余計な朝が立ち食い蕎麦のかたちをした返歌によって終わりを迎える

エレベーターの上下運動の間だけ忘れていられる

 

 

 

 

 

梅雨 To you

 

いくつかのにおいを引き連れ入梅した背広を引っ掛けてパールセンターを歩いていたら小指に会った。(小指は社員証をぶら下げていて、森田君が就職したかどうかとかは訊けない気がして黙っていた)。

いつか「心が大きい」と書く手紙のために ボアネルゲスは河北病院でアドレナリンの薬指を噛むが、それまで虫の声のようにして人刺指に潜入する外気は

スターロードのいくつの地下のバーに潜らなくてはならないのか?

ゴールド街の昭和の清掃用具の手入れを受けたトイレで 歌は失われて棒立ちになっている。

トラウマで阿佐ヶ谷南には行けないなら中杉通りの店まで漕いで行ってあげるよ

梅雨 To you と駄洒落を言って親指は明け方のホテルで難破している

 

 

 

 

 

コインランドリー難民

 

水に騒ぐ

下の田の 苗を押し流すだけで

ナーヴィーというより今は

プロフェーテース 前で 言う

青いフィルターがかかった夢の中の眼は今

赤い血走ったブレーキランプの点滅に変わった

 

床は拭く

雨合羽は干す

乾燥は かけない

 

きみはレインコートを忘れる

甘い水が押し寄せて苗を流し去る

言葉は地層ごと押し流される

 

transfiguration

 

ホラマ 幻   光景

エクソドス 出国 また 出立

 

これからどうなるのか

縛られたまま地層ごと流されていく

 

これからすべては 地層ごと 流されていく

 

積み重ねられた雑誌が 押し流されていく

 

川に囲われていた鯉が 海に 流されていく

 

キャンディーの包み紙を開ける音がする

二〇一一年に

アーモンドの木も流されたのか

 

声から 見えない人の形をつくり上げながら

見えない人の形から 見える声をつくりながら

悲しい顔たちに

明るい見えない顔をつくりながら

 

ああ わたしの頭が水であったなら

 

流されていくコインランドリーの娘の崩壊のために

明るい チンパンジーのように

みえない人 は 手を挙げる

 

秒針は回り続ける

 

雪ちゃん

きみの空気を抜いたら

どんな形が残るだろうか

碇のようなものだろうか

 

下手な白塗りの化粧の奥に

見えないアーモンドの木があるだろうか

 

弱い部分を子供の声で 透き通った声で 補強する地球規模の権威

そうかきみも居た

カップ麺のお湯のような顔をして

ふつうに話しても泣いているようなのどのふるえ

 

麗しさ 滅びの

麗しさ 炎の

 

本当なのか

 

金箔

 

あなたは歩行者と走ったのに  彼らがあなたを疲れ果てさせるのであれば

どうして馬と競走できるだろうか

 

目覚めるとは流されていくアーモンドの枝を折ること?

 

 

 

 

放置された夕方

 

放置された犬の死骸が暑い夕方

腕は剪定鋏で切り落とされた

放置された指もまた熱を持ち

放置された聖霊なき議団

放置された 延期

 

家が二つある男を子供が殺そうとしている

糸を引く声は血のにおいがする

 

薄い肉のついた頭蓋がしゃべっているような

乾いた喉から発せられる子音

アンナスに微笑みかけられるか

バラ色の脱脂綿の詰まっている箱

首の後ろに滞った血瘤が

単数形の目を向けられている

神が ウィンクする

悲しみを踊りに変える

マイマイカブリのような水生の恐竜が

手足をばたつかせている箱の中で

たっぷり という言葉に

痛む骨を押さえながら

髪を上げて編んだ

 昔営業所に居た時、スナックの女と結婚した男がいた。この女は手放しては駄目だと思って、と彼は言い訳の ように紹介したっけ。   

女は年を取らず、その顔は鼻を中心に放置されている

アルジャジーラはスペイン革命についてはあまり頻繁には報道しない

そんななか

緑が 白に溶けていく

 子供の姉妹が居た。一人は美しく、一人は醜かった。醜い方はノースリーブを着ていた。

ジョン・ダンカンは性に関して突き詰めた考え方をしていた

夜道の曲がり角で 夜は白いブロックのように切り取られ 失われて

言葉の意味が抜け落ちていく時の

丸太のような人体

言葉が噛まれないまま 流動している

それは滴らない

夜明けの光を持たない言葉のために

男は夜の外に出て行く

言葉に刃がないのではない

刀を納める鞘が放置されてきたのだ

 

青大将が 二匹 這ってゆく

 

 

 

 

 

frivolous view of life

 

痛みを辛味に変えて紫陽花の眠りに落ちていく 伊丹

副腎皮質ホルモンが身体の東北で生産中止

 

ハンマーで叩かれる金属のように 振動しながら

部位によって異なった速さで自転している

作られたから感動したのではなくて感動するために造られた

という理解によって天を張り伸ばす

おそろしい

何故 その周りをわたしたちは時速十万キロで飛んでいるのか

親が居なくても渡りをする脳内のツバメのように

 

無差別に ムジャベス殺人

tribe でロイエアーズ

 

frivolous view of life

 

のうさぎさん!

ツバメは子育ての時は一日 千キロ飛ぶらしいよ

 

瞑っていた眼を開けると 牡丹色の斑点が見える

 

 

 

 

 

卒業サルビア

 

阪神を出たあたりの梅田の地下の「松葉」で一杯ひっかけ

コンビニで祝儀袋を買って 遅れて中之島の式場に向かい

後ろ姿の花嫁にウィンクする

 

再廃墟化した廃墟に向かうレンタカーは雄島に寄り

gozo cine に出てくるホームレスの煙*を探し

仙台駅前の「ちだや」で日本酒「掟やぶり」を飲み続ける

 

掟やぶり、か。

卒業サルビア。

 

 

 

 

 

*

将松の木陰に世をいとふ人も稀稀見え侍りて、落穂松笠など打けぶりたる草の庵閑に住なし、いかなる人とはしられずながら、先なつかしく立寄ほどに、月海にうつりて昼のながめ又あらたむ。(奥の細道)

 

 

 

 

 

雨と のうさぎ

 

眼を閉じると間近に布が見える

雨は好きですか

瀑布のように 鋭角に波打つ倒置の癖は

今日は私たちを雨の業界に導く

雨の姉弟が俯く

あやまち 溺れるノア

心が全部向いていないので

洪水が押し流す

雨は世代のように私の腰の辺りで鋭角に曲がる

演壇のオバマ

チーズの孔のような 罠だらけの

 

のうさぎさん

たのしすぎる

 

雨だから杭を掘れないよ

わたしの太陽はどこ?

みごとな落書きのような決定

死んだ時 持っていたくないもの

を 持たないようにすると

恐れを 克服できるだろうか

正しい選択は一つではない

僭越さが来たか

それでは不名誉が来る(pro11:2)

突拍子もない事

 

この雨は突拍子もない事を言い出すだろう

支配されるがままにする

 

 

 

 

 

満月

 

雨の背後に満月があり

サンヘドリンと

サン婦人科の上で 止まった

質問には答えない わからないというと怒る

怒ったサドカイ人 の ような fatty

希望に満ちた雨雲の下

黒い祝福は流れた

昼も夜もなく

ひねた猫が 白衣を着て

断り切れなかった食卓に着いている夜

自由は見えない満月の下で

レインボー・トラウトのように

燻製にされたマスクのまま

裁判を行っているのか

獄を開く水頭の使いが来ない

勇気の出ない 拷問は続く

 

ついにドアは開かれ 虫の声と共に

諦めきった永遠の素数ゼミが入ってくる

涙を食物として食べ

メニューの満月を眺める

千切れた 関係

胸の鍵穴は汚れ

蓄膿の鹿は 水を求める

列島は 涙で出来た

ナンボナンデモ

と 大江さんは言って

最後の 息を吐く

 

雨が高速道路を越えて 桐の木に降りて来る

朗読は続き 河馬は眼を閉じる

眼を隠す頬骨の 温度調節が ドーランを際立たせる

ミキは子供の手を離して歩き始める

金持ちの象牙病の眼鏡から垂れた紐

黒と茶の版画のブラウスが 蛍光に溶ける

ロングヘアーの雨が 卓上で決壊する

三つ編みのウグイスが 新しい契約の壁に染み込む

吃りの糸を 振り切って 黄色い車は去り

依頼は雨の夜空に上ってゆく

きび団子、読んでいることが分かりますか

 

満月を恐れる

満月を恐れよ

 

見放されたヒトが 雨の中 蹲っている

優しい人だね と言われて

レインボー・トラウトは伊予弁で言ったことを文語にしながら伊勢を走る

買い物袋のような音で 猪のT子の爪先が反る

見えない満月の下の ひねた猫はまだ腑に落ちない食卓に着いている

88MHz 付近の 結婚 離婚 別居に関することが

親子の動物に やり過ごされている

ジュースか ダブルブランデーが飲まれているようだ

私は特別駐車場

ロビーで 電線のような皺を寄せて

付き添いは一人まで

88MHz 付近の 父と母を離れて

伏字にされた 規則

鬚の生えたペンギンのような医者が 手術台のような演壇に立ち

満月が長靴を虹色にしている と

辛抱強く 階段のように 喋り続ける

足を組む 身障者の母親は

ギターが弾けるのだったが

水通す 部屋の 床

どこかでラジオの電波を拾っている

 

 

 

 

 

 

 

夜の意味がわかった

 

夜の意味が分かった

きみの夜と昼を決めたのはぼくなんだから

昼のきみが夜にいて

夜のきみが昼にいてもおかしくはない

昼の意味も分かった

きみの仕事は子供であることなんだから

人と会うときは夜なんだよね

ぼくはため息をつく

きみが昼だと血糖値が下がるよ

でも会うときは昼のきみでもいいな

他の人と同じだといやじゃん

 

 

 

 

 

 

夜と昼がぶつかった

 

夜と昼がぶつかった

雨が降っているのか降っていないのかわからない朝に

「青く滲むほど血管がぱんぱんに膨らむまで」

互いの首を締め上げた

 

夜と昼がぶつかった

きみは昼でぼくは夜

きみは夜でぼくは昼

瞳は顔に のり付けされて

 

잘 잤어요

아뇨, よく眠れなかったよ

 

ぼくは夜中に叫んだらしい

母の知り合いらしい着飾った人々がぼくの寝ている部屋に入って来たので 、「聞いていません。出ていってください」と

きみにその夢を説明してほしい

昼と夜とがぶつかる

絞り出すような場所で

 

 

 

 

 

 

と昼が流された

 

夜と昼が流された

夜だと思っていたものが

昼だと思っていたものが

イヤフォンをつけたまま

 

津波が太陽を押し流していく

木星がその代わりになることもなかった

洗いざらい話した

と思っていたのに

 

夜と昼が流されていく

きみはイヤフォンをつけたまま

べつのひかりの

都市に行くこともなく

 

 

 

 

 

 

 

there is no law

 

チャルチャッソヨ?

晴れて嬉しいです

 

共同の知識を訓練と経験によって自分と共に持つこと

それによって自分自身に裁きを行う

 

泡立つ白の甘さ

 

似姿はあるいは咎められあるいは釈明されさえしている

食べなくても遅れをとるわけではなく、食べたからといって誉れになるわけでもない

善を行っても苦しみに遭い悪を行っても苦しみに遭う

 

水が 変に何かが入った壺の内側を廻っている

 

躓くのは訓練が足りないからだ

 

there is no law (lamentation2:9)

 

自分の良心から保護される

 

「なぜ。早起きですか?」

「教会で良心に責められながら詩を書くんだよ」

勢い込んで 愛です を いです と言ってしまった高次。

「それは愛ではないよ、ジャディア。好意の交換excgabge of favoursに過ぎない」

「真の犠牲が伴っていないからね」

高次はインド人の子のサラハが外に連れ出されるのを見た

高次の原則は単純に敵を愛することだった

迫害する人を祝福する

優しい愛情の扉

ダハウの収容所

「何を犠牲にしているの?」

自分が相手に悪い感情を抱く権利を 犠牲にしているんだよ

 

雨は止み、暑くなってきて

 

there is no law

             G          C

 

ジャディアが親しく過ごす時間

 

持続性と耐久性

 

落書きされたパン

 

無割礼の異邦人

 

互いを迎え入れる

 

きっと黄と白の皿のイシモチ

 

ナナは急に背が伸びた

ユウはそのまま 

there is no law(reprise)

 

 

 

 

 

父の日

 

アッパ いつも コマッスミダ 今日はオンニに会ったから安心してね

 

夜、わたくしが「ベートーベン物語」の、「月光」を捧げて振られたところを読んでいると

 

オンマがわたしの頃は、わたしの何倍もかわいいですよ

 

十六夜の月は雨の背後で自傷していました

 

ケンチャナヨ ケンチャナヨ 今日はアッパの日だから

 

その後「エリーゼ」を捧げて振られたところにさしかかると

 

ア ジョンマ!?

 

「月光」と「エリーゼ」を捧げてもだめだったなんて 音楽の役割ってなんなんでしょうね

 

アニャシミカ~イルボンサラン

 

 

 

 

 

夏至grind

 

空と海に撒き散らされた

異物としての言葉を

抜いていこうとするのだがいつも

そこには血がついていて

 

どろどろだ どろどろだ どろどろ

 

J-POPの歌詞にも

大気圏外に属する異物は刺さっていて

抜こうとすると

呼吸できなくて

ヘドロの耳は

 

どろどろだ どろどろだ どろどろゴアグラインド

 

日本語が勝手に言葉で深呼吸しようとしている

ハングルとアルファベットがそれを見ている

 

 

 

 

 

 

How about you, Miss Understanding?

 

この部屋では呼吸できないと言って外に出て行き陥った過呼吸

帰りたいと思っても元のような正しい蜜はないだろう

戻ってきた過呼吸は過去を食うのに忙しくて 押韻を踏む余裕がない

いくつかの言語が上層で並列している暗い緊張した画面の中から

いくつかの言語で覚えた台詞を呼吸する過酷な毎日に

過呼吸は 言語を呪う暇もない

 

cheap monday EXpensive wednesday

過呼吸は乱暴にそう言うと風呂場に駆け込んだ

ぼくはいままで遊んだことも働いたこともないような気がするよ

きみはどうだい、過呼吸。

 

 

 

 

 

 

菖蒲

 

なぜうえるのか あやめ

ラバン・ガマリエルよ

なぜあやめをうえるのか

人間より大事なものの中で

黒い棺にフレームを付け

言葉よ 流れよ

羽の生えた背中が溶融してゆく

わたしの何がほしいですか

火が燃えているけれど

”何か異常なことが身に降り懸かっているかのように当惑してはなりません”

ぼくの火は

何のためにあるのか

 

なぜうえるのか あやめ

放課後 放火 カト・オイコン

吃音で義を語る 愛されたい犬のように

それは私のこと

私の心は札付き

最後まで棺の中で携帯が鳴る

全ては生きている間のこと

詩を読む人たち

炎が去った後の話を 白髪のふたりはしているんだ

(なぜ あやめをうえるのか)

大きな花を植える人々がいるのは何故か

別の部屋で 起こっている事

「うたがわされてはいけない」

見慣れないものが置かれるだろうと言われている

ねがいは かなうのか

安らぎ に 至る道は あるのか

隣の部屋では洪水のように音楽が流れている

ぼくらの主題は流されていった

 

 

 

 

 

宅録Nebraska

 

ケリヨト・ヘツロン Kerioth-Hezron קְרִיּוֹת חֶצְרוֹן

自らによる逆境に避難する

メディアとはここの DM 機能のことだよ

レカブ人に酒を勧めよ

イスカリオテ איש קריות、 このケリヨト・ヘツロン קְרִיּוֹת חֶצְרוֹן  に留まれば きみの片思いは永遠だ

ケリヨト・ヘツロン のフクシマを出たら死ぬ

リアルは失恋をきみは知らない

逆さに読まれ、逆さに吸われた空気

「地震が来るとき、家にいつもひとり」

宅録のネブラスカ 浅い水に沈むMTR

放尿する原子炉像のある町

マメ科のデザインが飲んだくれている

雷の丘で犬が死んでいる 別の原因で

すべては別の原因で死んでいる 或いは愛によって

 

 

 

 

 

priceless

 

もう歩けないことをごまかして歩いている

もう弾けないことをごまかして弾いている

もう見えないことをごまかして見ていると

 

わたしたちの欲求は天に昇る

太陽とヨナの不愉快な照り焼き

わたしは生きているより死んでしまったほうがらくだと言わせた

 

花椒と丁子と

撫で付けるように字を塗る

 

イントネーションのように

梅雨は明けた

言えば言うほど逆効果になる

疼く

レールに乗せられた言葉

 

副見出しは 目玉のようで

むしろ十七年

思考は海と空の

手の傷

 

頭から上に糸が出ていて

糸を切らないために移動しなければならない

 

 

誘った食事です

 

果物を切り分けている 悪意のある苦々しさ

 

考えてないんだね

 

いつも考えているよ

 

ナイフで親切を切り分け

忠誠と忠節を 味わう

 

力のない言葉を出そうと努力している

 

静岡では何を食べてもイルカを食べているように感じる

 

肉のことがら

 

彼女の界隈に足を踏み入れ 罠にかかる

 

 

 

おはようございます!

今日は晴れて嬉しいです。

As it nears, the rain is bent on turning you away form me

 

I know my sheep and my sheep know me

 

そんなことをしているうちに女が一人死んだ

no way, in no way

 

to me you were priceless

 

 

 

 

 

 

To Helena

 

突如として顔が切れる

夜中

 

そのままタンバリンで身を飾り

笑っている者たちの踊りの中へ

 

鳥がうるさい

まだ地震は来ない

 

「地震が来るときはいつも一人」

まだきみに地震は来ない

 

地震の前から地震の後の言葉をだすこと

地震の前から地震後の愛を知ること

 

地震後の言葉を出せないいまは

まだ地震は来ない

 

まだ地震が来ないので

急いで別の雲に飛び移る

 

笑顔を作り

急いで別の雲に飛び移る

 

新しい車椅子のような雲の

中はカルピス色

 

外ではきみのしゃがみ込む

ソラマメの夕方 の ふくらみ

 

掟破りが 命に つながった

無頼のような 霊的

 

経験は 新しい 車椅子の

雲の夜の

 

配管工事のような

心臓手術

 

迷っている 制服

掟 の ふくらみ

改姓 の ふるえ

 

タンバリンで身を飾る

タンバリンで身を飾り

笑っている者たちの踊りの中へ

 

胸の下には黒い水が流れている

配管工事の胸の下には黒い水が流れている

 

三姉妹は和洋の菓子のように箱に詰められている

三姉妹の詰まった箱の下には黒い水が流れている

黒い水は夜明けを目覚めさせる

 

突如として顔が切れた

夜中

 

わたしは夜明けを目覚めさせよう

わたしを誹るようになったのは敵ではありませんでした

 

味方と敵が 菓子箱に 詰まっている

掟やぶりの報告が黒い水を目覚めさせる

 

タンバリンで身を飾る

タンバリンで身を飾り

笑っている者たちの踊りの中へ出て行く

 

踊りの下には黒い水が流れている

水道管を流れる 夜明け

 

突如として顔が切れた

夏の夜の夢のように

 

The more I hate, the more he follows me.

The more I love, the more he hateth me.

Helena, 地震が来る前に愛していると言われてから眠れ

 

 

雲から雲へ

集合から集合へ

 

移行する点と点を 結んでいく

二つの時間 刈り込まれた二本のオリーブ

 

根から透明なジフ人の汚染水を吸う

革袋に入れる 恐怖の粒

 

涙は黒いうちに 許せ

この工事は 腎臓 に義が詰まって流れない

 

感謝しないマリオのような きみの応急

天の川に詰め込まれた応急

 

掟やぶりの理由を考えている

乾く雌鹿が涙を食物としている

 

ぎしぎしと黒い水の混じる陸前高田で再び建てられている家

オリーブを植えられた 時間のふくらみ

 

規則のない喜びの箱の下に

黒い水が流れている

 

浅くも深くもなくただ黒い水がぎしぎしと流れている

皆 髪が生えていて目と鼻と口がある

 

髪は結ばれていることもある

芋虫の柔らかさの声がひかりを浴びている

 

彼女らは何故いつも果物を食べているのだろう

いや  食べているのではない 盛っているのだ

 

緑の服を着て

白の服を着て

 

髪が生えている

皆 眼鏡をかけている

 

ぼくは髪を抜いていた

読まれたものは 髪を抜かれていた

 

福島と共に 消えた 女言葉・言葉女

イントネーションが呼び寄せる 説教調の菓子箱

 

説教調の やわらなかな 夏

会話調の親子が 離れて坐っている

 

口ごもりながら 話しかけているのは

 

  

 

 

 

 

円のリズムの社交のパターン

 

髪を また 抜きはじめた

絵文字で外してハブられる

高知の赤

僕らの楕円のリズムの社交のパターン

 

花々の背中を見て育ち

ブリューゲルの校舎を描いたね

 

マメ科の藤色の花びらが

隙間にストン

婚前交渉を禁止されると幸福ではなくなると思いますか

 

 

いい?愛されて死ぬなら新宿で潰れた方がマシ。

働いて数ヶ月ですが、人間関係もリズムがあるとわかりました。

振り回すのは好きだからです ごめんね

 

少しずつ毒を加える 食物

 

仲間の友情と愛・成長

 

薄めさせるだけで成功

 

僕らの楕円のリズムの社交のパターン

 

思考する 肉 は死 ぬ

 

 

 

 

 

 

地震予知の耳のためのラップ音のある静物

 

鳥がうるさすぎて、中はいらいらするので外いきます。。

 

つち骨

ヒッチコック

きぬた骨

キングタコス

あぶみ骨

しせいかつ

 

すべての生物の祈りが聞こえてきてしまう

 

つち骨

ヒッチコック

きぬた骨

キングタコス

あぶみ骨

しせいかつ

 

明日は飲むカルピスゼリーの発売日

 

つち骨

ヒッチコック

きぬた骨

キングタコス

あぶみ骨

しせいかつ

 

外には戦い、内には恐れ*

 

つち骨

ヒッチコック

きぬた骨

キングタコス

あぶみ骨

しせいかつ

 

去年は、高円寺にいた

 

つち骨

ヒッチコック

きぬた骨

キングタコス

あぶみ骨

しせいかつ

 

高円寺には幻想のロック・クリティークがいて、私たちはかれの是認を得るため

だけに演奏していたのです

 

つち骨

ヒッチコック

きぬた骨

キングタコス

あぶみ骨

しせいかつ

 

羽は見せるよ

 

つち骨

ヒッチコック

きぬた骨

キングタコス

あぶみ骨

しせいかつ

 

 

 

 

*we were afflicted on every side; without were fightings, within were fears(2cor7:5)

 

 

 

 

 

 

夕方の黄色

 

始めるのが早すぎた

いつまでも明るい夕方の黄色が

一つだけ余計な日の

独身者に向けられた歌を唄っている

今日も一つだけ余計な日の

まっすぐに伸びた 肩から日焼けした スズちゃんの 手の先に

ステファノが立っている

夕方の黄色のように

額に箱を付けたパリサイ人も 付けていないサドカイ人も

原発推進も 反原発も

共に歯ぎしりしている

 

語り始めるのが遅すぎた

夕暮れの黄色が 命に勝っていたことを

暗闇の中を 遅れた独身者が 少なく愛することを 思い巡らしながら 歩いてくる

先刻まであった黄色が

愛の裡に沈黙している

 

「あなたについていきます

「私はホームレスです

「親の世話があります

「死人に死人を葬らせなさい

「挨拶してきます

「振り返ってはいけません

 

きのうは分かれ目だった

夕方の黄色が

今日もトトロを唄っている

ジブリデートは成功しない?

今日も 一つだけ余計な日に

夕方の黄色が

いつまでも明るい

色の話は二度としないよ

 

 

 

 

 

 

青空

 

やけに空が青い

毒のように滴っている

梅雨が明けたら会う筈だった

まもなく来る地面の揺れが雲に反映されて

明るい怒りに似たぼくらの約束

how will we fare?

 

髪の毛を抜く時、抵抗なく指の間を通る間は髪はひらがな、捩っているうちに蟻のようにダマになって引き抜きたくなるのが漢字

 

毛深い雄ヤギがまだ出現していないギリシャの王を表している

筈だった

 

会う筈だった

今朝はやけに空が青い

エンジェルのシロップのように滴っている

躁の悲劇が訪れようとしている地表の活動が、雲に反映されている

 

 

 

 

 

 

at an hour

 

すべてのメールは銀でスプレーされていて

言葉は息ができない

 

at an hour we do not think likely

あの日以降きみが居られる場所はそこにしかないのに

 

すべての数字は銀でスプレーされていて

愛は息ができなくて

 

冷凍マグロの倉庫の横に

死臭をスプレーされて

猫背の高島屋がぼつらっと建ってたっけ

 

It will take place at an hour we do not think likely

あの日以降世界が居られる場所は愛故の死しかないのに

 

 

 

 

 

 

或る録音

 

体だけ明るい或る夜に

事態は急速に暗くなり

蟻は十倍の獲物を運び

僕は場所なしの窓を開く

取調べはスタジオで行われ

屋上はコーティングされた

28 ביולי, 29 רעידות אדמה, פיצוץ ~ שינקנסן עצור.

七月二八、二九日の地震、新幹線の爆破は止めろ。

言語に潮時があるなら

言語グループの無意識にも潮時がある

俺たちの死体は青森を回って秋田まで流れ着く

 

 

 

 

クモ

 

空を切り取る衝動の中に

火山の噴火や

放射能が

うっすらと忍び寄る

論旨を明快にするために

あえて今言わないことがある

今日は半日耕作地で過ごした

流れて来た赤ん坊は

こうごうしいまでに美しい子だった

愛は建物に依存していない

彼はその罠trapから自分からは逃げようとしなかった

三日間卵に連れ添った母グモが去り

産まれた沢山の子グモを整列させて

ナミオが訓戒を垂れた

君たちはゴキブリを食べるために産まれて来た

これからは多いに頑張ってもらいたい

では、解散

ちりをなめる

論旨が緑に囲まれている

上着の緑だ

探検隊のような出で立ちのスーツ

腸が殺られている

ウルトラマンの頭の形をした輪郭のブレ

クモが出て来た

クモの子らはシラスのように小さい

絶対に壊れる子ら

論点についての話だ

近海魚のぬるい刺身のようなたこしゃぶとハモづくしが

引き合いに出されるだろう

小さなものたちにも格がある

クモはサメのような獲物を捕獲できるか

ぶれた髪が笑っているように染められて

便宜上の色がくっついてくるような服が続く

ピンクと灰が、失敗した建物

今日は桃色と黄色がクモの子らに食べられている

その罠から、自分からは逃れようとしなかった

もしかしたら動機が明らかになるかもしれない

保険の効かない薬を買いに

病院に駆けて行く人を

クモの子らが追いかけている

灰と白の世界

甘い猪肉のような声だ

とんとんと切られた甘さが

洗面台のコップのように空けられている

本当なら僕が居たはずの場所

 

 

 

 

 

 

cognizant

 

 

裁きと滅びの季節にも季語があるなら

そのアイデアは愛である

自分をオリーブの木に再び接ぎ木すること

 

絶滅の季語は籾殻

軍隊に囲まれるのを見たなら

山に逃げ始めよ

地と天が逃げ去る前に

自分を人生に再び接ぎ木すること

 

 

 

 

 

Channel Seven

 

self control

暗い桃色と黄緑が排気ガスを浴びている 土手でクモは

情況の恒常性を前提としてウェブを張り 着実な仕事を始める 筈だった

本当なら 直播きの稲を覆うかれらの銀色のテントが朝陽を浴びている 筈だった

卵を守って離れようとしない母グモにとって

想定外 は常にヒトによってもたらされる

自然は今や恒常性より安らぎを欲している

人間以外の生きているもののすべての願い 

 

ディケイド毎に 失われた スカートのような正しさは

あとしばらく休まなければならないのね

 

周りを見回すな

 

黄土色とオレンジが

ショールのように

秘儀に紛れ込む会堂

 

複数の契約に拠らなければ 解決されない

女と国の問題

 

夏に風邪をひくように

読書で耳が悪くなり

音楽で目が悪くなって

 

劇団以後関わってく ので?

縫い目から裂ける

 

貧困の中に水を甕の縁まで満たしなさい

理由のない奇跡のようにして

 

静まれ 静かになれ

何が過ぎ去るか

遠くを俯瞰すると早速火の手が上がっている

風と海 を叱り付ける

 

「人生が自分の考えたとおりになっていないとしても

わたしは幸福ですし、今後も 幸福でいられると

思います。」

 

マスタードの種

全体を発酵させる

引き網にかかっただめな魚

深海魚のデザイナーが言うのだから

あなたは最近愛する人を亡くしましたか

 

ホプリサステ 身を固める 兵士のように鎧う

 

上にある事柄

 

眠気が帆先のように椅子の上を移動する

 

完全な人間が食べ物によって落ちる それを食べるフルーティアン

制することに優先順位の意識が向けられていない

 

紫の恐竜の内部の池の中で

オタマジャクシの手足にドスが付いている

 

死にたい

 

介入

 

光に照らされた夜の雲

 

社長

 

ハウリングしている空調のダクトがホーミーon G

 

米国市民権を

心から欲しいなら

 

無傷で済まされない

 

  *******

 

目が覚めるとチャンネル7にいる

自分がどの世界にいるのかなかなかわからない

突然緑の門を閉められ

チャンネル7で振り付けしている

 

  *******

 

四万十川から来た安木 という人が

いたわり について話している

 

self control

石をパンに

 

定めのない時に至るまで

まさに永久に よろめかされることがない

 

暴虐の故に 地を破滅させている

チャンネル7 の血が地面から叫ぶと

有害さを明証するために花が咲き出る

チャンネル7を習わしにする者たちが

皆咲き出るとき

それは彼らが永久に滅ぼし尽くされるため

 

そこまで来ている

 

東風に焦がされた穂

 

鉄と粘土は英米

粘土は英米の範囲内で分裂をもたらす要素

 

妥協できない

 

すべての事物の終わりが近づいた

 

 

 

 

 

DEFAULT

 

遅れた人にしか見えない金色の夕陽がある

書き殴られた赤い描線と

青の飛沫が 白の胎土の上に不可避

の現状を定着させている  炎の中で

刻一刻と迫っていた終わり

この夕陽を浴びた道のために

何番目の鍵が用いられたのか

 

あなたの銀はあなたと共に滅びてしまうように

コンクラーベにおける贈賄のような積極性さえ

遅れた者には遠い部屋だ

 

Intervene 介入 ヨタ話

 

かなかなが終わり

忘れた者に夜が入ってくる

 

重要な事で 緊急な事は少なく

緊急な事で 重要な事は少ない

秒読みの破滅を忘れた者の 

 

 

 

 

 

ハイイーム

 

 

砂の溜まったコンビニの袋を 逆さにする振る気力もなく 九時台の

認識を高める 規定 誤用

 

逃げおおせている者が不自然

に羽を伸ばして

 

それらのうちのひとつも

まだなかった時に

 

髪の毛はあらかた抜いてしまった

 

冷房の設定のような 

スキンの色

Slaves and minor officials 

存在自体が髪の毛なので

 

fable or a myth

 

incest

 

 

 

 

 

 

 

色彩論

 

シン・シャラ・イシュケンは7年間支配した

 

ニッポンの街に赤が結果してしまっている。transparentを通過する受苦としての血を見なければ終わらないのは判るが。その結実を抑えるのが街路の作法だった筈だが。Tottenhamの橙は青の中に上昇している。紫を経ない赤への急激な上昇は暴動を視る眼に青のティンクトゥーラが宿っていることを明証している。

 

終わりは色なのか、と以前書いた。 一色原理としての灰色の終わりだ。 昨日もそう思った。

 

各々自分の中で得心していなさい。

 

色の話はにどとしないよ、と以前書いた。 ビッチでメンヘラのピグメントが青だとしても、癌センター前の路上で、影の中にきみどりを見よ。

 

 

 

 

 

宦官エウヌーコスευνούχος

 

 

 

去勢された蚊は名をユニコーンといった。

かつてはハレムに居た

そこは呼気のようだった

髪をひっつめた恵子は神妙に頷いた

巫女のような白い紙のうえで

わたしの針はきっとよろめいていくだろう

男の人は闘争して女の人を取り

合ったりして生きている。

仕組まれた土俵

 

 

 

同情

 

クリス と云えば スペディング

二人の盲人が やっぱ

おぞけだて、冷ぼう

水 と 肉 で はじめて ア ワレ ミ

光りの

フレイバーとして 串刺しの

右手がしていることを

左手に知らせてはなりません

北原白秋の みせびらかし

虚栄の 剝き出し

キタ、キタ、ここは尼崎の紫

量り出せ 母乳のアワレミ

オシツオサレツ

オシツケガマ ノ アクレイノカタチハ

律法の前で のたうつ

これら三人のうち だれが順子

に対して隣人になったと思いますか

全土をあまねく巡り

二義的な土俵を

蛭子のように ひり出して

ニッポン

サイケの根拠

金子の部屋で 浜野が寛いでいた

メシアンがあるー、と猫撫で声を出した

この部屋に来ると何故かコニーアイランドベイビーが聞きたくなるんだよな

橋の上から投げ捨てられた レコードに

アワレミの言葉をかける

浜田山は十年二十年

     人の住めない処になる

マイナーに転び込んで来た凧揚げする犬コロのような 印象が

Are,mi を受ける

また髪の毛を抜き始めた

annihilated by one another 

咬み合ったり喰い合ったりして

 互いによって滅ぼし尽くされていった

羊を ボクシング  灰野の杖

仮想クロニクル

爛熟 のグラム、セザンヌとキューブの間

爛熟 のチョッパー直前

パンク前夜の

ライオンのひげをつかんで打ち倒し

牙による傷に 疑いによる傷に ヒキツヅキ アワレミノ 油

父親が母乳を飲ませる

父親が母乳を飲ませる

浜野が順子に母乳を飲ませている

順子は山崎に母乳を与えなかった

大里は 誰の黒いミルクを飲んだのか

真の固有名を知らないまま固有名を出してしまっている

その固有名の前で

練習していた

私物化 という言葉 が

支配しているように思える

えらくなりたいなら 奉仕者

第一でありたいなら 奴隷に

なんなさい

 

 

 

 

 

最後にひとり残って

 

夕方

魂たちが

入って来る

部屋

歌おうとして開かれた本に

蚊のようなものが 声を 顰めて

夕空 という 夕空は 明度を

 調整され

最後のかなかなは己のためだけに鳴き

ダマスカスからアラビアに行っただけ

三年のあいだ ひとりだった

かなかな の 羽が 小さく

なった

 

 

 

 

 

ツェロフハドの娘たちに

 

被爆する死刑囚の

二重の延期による罪の帳消しは

負の領域で贖いの相似形をしている

眠りに落ちることで

夢の中で支社の寝売りを夢見る男

きみたちの千年後のサラヴァスティで

死の公平さは 何の 相似形か

不公平ではない とはギリシャ語で 顔を取る という意味

きみたちの相続地は公平に汚染された

 

 

 

 

 

 

密告

 

密告の

    錯視に

白磁はほとんど灰色だ

適合することで 整えられた 脅迫

静かに滅びさせて呉れよ

汚点 を容認して

生き続けるという 脅迫

無分別 という  烙印

薄っぺらい 実印

争乱節

幸福という不幸

無分別という従順

        貝のような 腐っ た も の に 挟 ま れ

ヨーロッパ の テサロニケ

satan cut across his path

母の神

coordinator

 

 

 

 

 

 

九月の変節

 

勝ってゆく闇の

取り残された白の目立つ服装の

歌う季節の

監禁の申し出 (監禁してダイエットさせたい)

と 刈り上げの 日焼けした遺跡発掘のナーヴィー が 最後の半袖で 呟く

大きくなってしまった子供を抱いて

平和な時期 という名の 瓦礫の拡散

棚に上げられた滅びの中で

最後の蝉も居なくなり

最早 この時間には 夕焼けもなく

台風は近づき

ドルカスの下着をセシウムの雨は染める

茶髪を扇ぐ

終わりが来るまで

変化の中で老化する

ハイイームが取り去られ 塵に戻る

地表は新たにされる

除草剤を撒かない人生

わたしのある限り調べは奏でられ

筆記する光の実

はかみのけを抜いてしまった男の鬘

九月の変節

自分の問題が最重要だと思わないように

九月の変節

自分がなくなれば問題もなくなるのだから

九月の変節

救援、救出は別のところから起こるでしょう

九月の変節

もしかするとこのような時のためなのかもしれません

九月の変節

滅びうせなければならないのでしたら 私は必ず滅びうせます

九月の変節

「何としても生き続けること」よりも重要なことがあります

九月の変節

 「サタンに息子を殺した償いをさせなくては」

九月の変節

だれ一人、ただ自分に関してのみ生きるのではありません

九月の変節

また、だれ一人、ただ自分に関してのみ死ぬのでもありません

 

九月にわたしがまだ生きているということには

 

 

 

 

 

 

秋のクラゲ

 

喜びの誤用

副交感神経の優位から

季節の過敏に移り

さらさらと語りだされ始めた或る朝

手形のようなものを見せたいのか

それが何を意味するのか考えてこなかった

盛り土のような形をしたクラゲが横たわる畑

クラゲの中に秋が佇んでいる

交換出来ない隔たり、理由

ケーブルカーの同乗のような単位で

多言語の呟きが現れ

ボスニアのブランコは警備兵を辞め

スロボダンというクロアチア人から学び

スロボダンはボスニアの兵士ヨームから学んだ

彼らは陸前高田で

災害はあってもなくてもいいという

殺される寸前 迷いがあって

サーファーのような価値観の転倒を

復興に当て嵌める人々 

discreet 塩

秋のクラゲはよこしまな事柄のために群集に従ってはならない

秋のクラゲが人間の政府を持つことは逆に実在しないものを追い求めること

残された時の短さが秋のクラゲの生き方に変化を与える

盗人のように来る時に関してあざけられる秋のクラゲ

自分を度外視してあざけっている秋のクラゲのための猶予 

秋のクラゲは用意の整った仕方で待つように

それ以前に人間であることを忘れていた

 

 

 

 

 

 

休日出勤

 

舌足らずで しかも 苦い闇が

皮なめし工の 偏見 の下の偏見を照らす

闇が照らす何か

深い悔悟が照らす

ヨッパの海辺の家で

当惑させて下さい

死の香りがする

光る闇

後ろを向いた赤ん坊と目が合う

もう ほどけきった

線の集合

三十年 待った 魂に 悔悟

何の虫だろう

あれ以来敏感になっていて

わたしはそれを見た

あなたがわたしを見ている

あなたがわたしを見ている

猫の頭の内側はみな目玉である

三十年 わたしたちは待った

三十年で わたしたちは振り分けられた

それらしくなってきた断層の

それどころではなくなってきた 鼻血の市場

山の 寿司屋

命の川の 眉毛の本部のような 悔悟が

調べるための問題を出すだけだ

三十年 わたしたちは待った

三十年で わたしたちは振り分けられた

働きながら休んでいる

休みながら働いている

working during his millenniums-long Sabbath

わたしたちの休日出勤は振り分けられた

 

 

 

心は晴れて、気も振れ 

 

少し老いた

線路のない電車は

自分を許すべきではないのか

自分が真中に居ると解決しにくい 

骨と骨を繋ぎ、臓器をあるべき位置に保つのが靭帯であるなら

線路のない電車を靭帯で繋ぎ

我慢するのではなくて満足することを覚えよ

再び溺れるノア

「心は晴れて、気も振れて」*

現在の気付きの間逆にある過去過去の甘い管を

濁音抜きのカメラで

明度を上げて覗く 

ぼたん色(と白)の神戸

ポーズするラ抜きの鴉

「助けれるんではないか」

持ち物を持って出て行く息子の

舌の先はざらざらしているだろうか

*古井由吉「椋鳥

 

 

 

 

after these

憂鬱であること

朝が空がプルトニウムがどうであれ

ミニスターは憂鬱である

緑の光を浴びたフグが浮かび

エリコの回りを八回廻って秋は縁日の切先に入った

after these

トイレにいる間に

金色の閃光の中で紫の羊はその尾を切られて

after these

霧が荒れるように急にさびしい薄青になる

最後のシロ

処女[ベトゥーラー]ではない乙女[ハーアルマー]が妊娠

処女[パルテノス]と訳し

首を内側に折り曲げるようにして

after these

すべて 平行のあぜ道

見たのに信じなかった

待ち望んでいたのに受け容れなかった

after these

after these

after these

困った

 

 

 

 

 

 

金環蝕まで

 

(物質には二種類しかない

汚染されているかいないかのどちらかだ)

斎整として 区切っても

滅びの後の永遠のように

終わらない 秋は

わたしたちの カルーセルの上で

白煙を吐く ものに 遮られ

眼鏡をかけてみても

続く 明るい 終わりの

終わった 永遠の

その中で 剣にかけて除き去られるといったエピソードは語られてゆき

終わりは 終わらず

永遠は終わり

子らの声は終わらず

子らは終わり

遅れてきた者も 早く来た者も

同じ永遠の中

同じ終わりの中で

白い服を着た人も 黒い服を着た人も

同じ永遠を終わり

同じ終わりを終えられず

同じ終えられない終わりを

終わろうとしているのか

イスラエルも パレスチナも

Index の中を 動き

終わらない永遠の

インデックスの中で サインは

永遠に終わった終わりを生き

眼鏡をかけた娘たちは

その眼鏡のかたちをした曲線の終わりで微笑み

指の戦闘を教えてくれる称号に

熱烈に捧げられた祈りの

突き破る永遠を待つ

終わりの中の

永遠

和服のかたちをした永遠が

和服の中で終わっている

終わらない終わりを眠り

続かない永遠を夢見

霰が走るように

言葉が地べたで溶ける

終わらない終わりの中で

空の額に十弦の新しい譜が描かれ

金環蝕まで

斎整として 区切られようとしたが

わたしの区切りは

落ち着いたガスが 部屋に充満することで

気化されてゆく

 

 

 

 

 

 

ロックアウト

 

ロックアウト されたのに

私は 変わってない と 言い張る

マックの駐車場で

キーは簡単に開く

自由になるのではなく

自由にされたことを感じるだけ

Roda に伝えよ

指示に従い続けた

駐車場の健気

自由は

得られると まだ 誤解していて

その後 Peter は 登場しない

駐車場がなくなる時まで

彼は捜索される

すっかり車の居なくなった駐車場に

自由が入って来るのが分かる

 

 

 

 

 

午後

 

庭園のような瀬戸内海

光より速くなければ どうしても駄目だ

土台のない家の間借人が言う

岩塊にも水は押し寄せた

家を優先しない家にも

雪崩のようなずれ込みかたで睡ってしまう

あと何回 枕を黒いビニール袋に入れなければならないのか

額の一点からスッとのけぞってゆくような睡気

後頭部の凹みや皺

あ、pcがはい、と言った

いつまで文字を乱れた水から汲み上げるのか

髪の毛の抜けた白い頭の子供が増えた

皆障害のある子供を連れている

障害が普通になってゆく

健常が異常になってゆく

健常者のもったいぶった話し方が異常にみえる

************

こんな字で

建築について文句を言うつもりか

金剛力士像のかわりに

項垂れた左右の鉢植えが

猫のように喋る

副作用はない と言う

知るようになったのではない

知られるようになったのだ

 頷く

逃げおおせている色の話ではない

のたれ死んでみせる

************

右手のない男のYシャツは垂れ

帽子を脱がない男はまだ糾弾されていない

暗いサンドヰッチの入ったタッパー

電波の入らない腹の中も暗くなってきた

つまらない

つまらない話だ

そのまま殺していくのか

もういいよ

豚に似た侮蔑

アガボ 黙諾

ただ飯の九九年

終わってしまう

************

午後の終わりの風が

気落ちの理由となる

マンハッタンの地図を意識が下るようになぞりながら

ラップには緊急感が必要

私達はXXXXXXX

                    ライフライン

刈り上げの頭に不意に電波が入る

one hug changed Elsee

迷子の羊のような車で

今日思いとどまった事

真に受けてはいけない

猿と観る映画

************

強い者は喜ぶ

水の中に根の出た果物が浮いている

義手が床に転がっている

部屋の中では帽子を脱げ

カント 判断力批判

可愛がっても、どうせ皆ヤンキーになるよ

 

 

 

 

 

夕暮れの柱

気道の柱が夕暮れの川沿いにたち

発するものを忌んでいる

夕闇は真直ぐに平たく

信号機の色が綺麗だと思う幸せ

着いてみれば 子供らが

汚れたまなざしを向ける

魂の論争のなか われらのともしびは罪となる

口の中は砂利で満たされ

パンに蹴りを入れる

ひょろひょろ伸びたまー君

トシ君がとんびのような声を立てて母を撲る

ああみな祀られてゆく

ブラインドを上げると暗い声で同じ割り当てをしている

「それは嫌です」

飼い猫にひっかかれ 息子に殺される

ぴーひょろ ぴーひょろという息子に

そこを歩けない人が歩いていく

護送されるように眼を閉じる

わたしたちが苦しんで死ぬのはなぜか

もはや脱衣場で自分を隠すことをしない

投げられたスープの材料を買って再び訪問する

夫婦のための学校

つるべ落としの紫の2chの中にきみは居て

信号機の色が綺麗だと言う

 

 

 

 

 

midheaven car parking

 

駐車場にセリーヌの患者たちが入って来る

鼻の長い○○婆さん 尻の短い○○爺さん

千年しばり首 という名の 機械化された玉ネギ畑の横の

ロマ書の横の 

仄暗い 孔のような 書籍のガイガー・カウンターに

平積みの白い紙が浮かび上がる

クイクイと イだけで進む舟の話語

破船の報告は パン窯に溶け

濁音が薄い第三国的な尻の短さ

携帯のない時代の間隔で

問い合わせる別居のような

親密

富は飛び去った

天使は女たちの従順をじっと見ている

だからといって何をするわけでもなく

ゆだねて 悲しむだけだ

ディフェンスに貼り付く

きみ専の アクレイ

玉ネギ畑のように

生えて来る 理由

フィボナッチ係数の

言の葉の四方に茂り

料金のない駐車場の

巨額の借金を背負う代紋   

            張り付くデーモン

midheaven car parking

虚数に停めろ

拡大友愛数に停めると jammed

サービス終了のOSのように

コインを入れてもdepositされない

ペットボトルのような

言葉が釣られて上ってゆく

強情な国民として私たちは語りかけられている

 

 

 

 

 

広島

 

十円くらいええけー

と言う反面

お好み焼の構造の中から千円を抜き取られて

宇品二丁目

宇品三丁目

宇品四丁目

宇品五丁目

宇品港

ずっと前から汚染され

汚染の品格さえ漂う

サンドイッチに根が生えて

若い警察官の痤瘡

処断された走者を見下ろす

柿の実のかたさ

not to be held

seasoned runners

 

 

 

 

 

暗い夜

 

もう一台入る

目立った共同体はなかったが

公共の場所に行く

桐の枝は大きく横に伸び

ゼウスとヘルメスの上に

今日の夜は特に暗く

総会屋も声を顰める

月輪は消え

カステラに大吟醸を沁み込ませ

フルーツケーキにラム酒を沁み込ませ

ルカオニア的な縁日の暗さ

女たちは花吹雪の中誤読の神を追う

月蝕が始まる訳でもないのに神にされた二人は

黒い背広の肩が頼朝像の鋭角で

肺を忌んで息を殺したまま

凝っとしている

土俵がウェブに出現する

御接待の端が捲れて

進む蜘蛛

************

息をせずに観る映画

毎日世界中で作られている

族長は愛を受ける

化粧は紫の染みのように広がる

声に混じる鋸

半透明な飛行物体

綿の声が拭き取る

目に見えなくて、それでも一致して、吃音達は、

誤解の地蔵を背負い

窮乏に飽き足りる

額は茶色いのに手の平は豚のように紅い

よくある薄いもえぎ色の

閉じた丸亀のような

地響き

の頻度

タッパーを持ち歩き

沈殿する 白の

*******************************

古井由吉の「槿」の冒頭

知識がないのに計り事を暗くしている

夜は血の色が見えにくい

そもそも命しか問題にしていないのに

日曜日のような暗さの中に矢を射るようにして

地声とウラ声が交差する 狩猟

柿のように打ちのめして下さい

喜びのない注射器

団栗のような坊ちゃん

河童のような

エストニアの母の話

マイクロフィルムの時代

三日間このズタ袋から空気を抜け

新聞に顔をうずめたまま話した

西側のほうが危険だ

突如留守電が鳴ることもあるのだ

マイクがラジオを拾っている

大事に していない

 

 

 

 

 

記憶

 

声の少し出る朝

息は少し長く

掠れた延命

微かな消費

世の中の律法たちが

遊具のように置かれた売土地

耳の高さで聴く律法

揃った目線の 原

急に震災以前のような平地

劣勢なのかススキ

軽い黄色に光が車輛を上ってゆく 

タイヤのように押し戻される

主翼の厚みのような 時間

極端な水色の線

ドブ鼠の非リーマンの待合の中

今朝夫に死なれた女

トイレに頭を隠す

クラウド卵

目は頭の中にある

 

 

 

 

遠い夜

 

夜は遠い

夢の中では働いていた

土壁に文字が彫られて

鮮やかであればあるほど口籠る

 

 

 

 

 

木が倒れる

 

ケルブのように固まっているその赤の間を

入って行けると思っていた

西陽の結界

木のように倒れたまま

倒れたその場所にある

山は睡魔のように黒い

空飛ぶベッド

重ね合わせた手の

祈りのような教習車を

一本歯下駄が見下ろしている

尾骶骨の鉄橋を渡り

吐いたもんじゃに戻る旅役者が

蔵の中で計画を探り出す

腹違いの人生

焦げを召し上がってください

オリジナルではない芋のロック

十歳の僕をゲームの話で誤導する愛が

失敗した鉄板をスライドするショーのように

はなまるはこれで鰹節やめたんだよな

世界の終わりに耳がでかい

きみのもんじゃのために土手を作ってあげよう

決壊してもいいんだ

魔人ベジータ フリーダ

意外とけっこう強い

今日日記何書こうかなあ

50m何秒?

だんじょだんだんじょじょだんじょだんじょ

本当は娘よりも近い

姉妹

離れていくね

近づいてくるね

ボーニンゲン

仕切られた星空で繋がって

 

 

 

 

 

 

葬式前夜 

 

青山の裏で

ナビは沈黙した

訛りのある イルカの背に

誇張法がつるつると折り重なり

折り句の 料理に定員はあるか

このネットワーク

新世界に鯖の背脂

審判者はつるつると折り句を畳み込み

わたしたちは常に何かの現代版である

関西弁、猪ではあるが豚ではない

白黒で撮る代わりに白黒を撮れ

雪原の女は灰色

黒ワイン

生きたパン

材料を問わない料理はモノクロだ

何を いつ だれと

つるつる滑る中二階のように遠い夜

新世界

圧迫された平坦さは

グレイゾーン

夫は亡くなりました

 

 

 

 

梅田

 

咎を引き罪を引き

スーツケースを開けるとパチン

what did I do for

巷の芥

東へ向かう車輪は暴風

だれひとりうとうとせず、だれひとり眠らない

光も

その上に落ちるその舌足らずの滴りのゆえに暗くなり

 

 

 

 

 

筑波

 

作られ配られたうたの背信

原野の上に

ああ誰も月蝕を見ない

もう死んでもいいほどおいしいものしか食べない

街は珈琲の酸味を除染しようとしている

幸福は見える

線量は見えない

 

 

 

 

 

左腕のアーガイル

 

安い部屋で

愛は耳のかたちをしていたが

いろはにほへとはちぬられていて

死は執事の右手の繃帯のように軽んじられている

アーガイル柄のうたは日溜まりに移動し

いまは遅れた電車を待って縺れています

 

 

 

 

 

all over

 

重ね焼きされ

poured, dripped, そしてsputtered

都市は 全員一致の 会衆であったか

美学は コンビニの書棚の

週ごとの心の書き板に

ピグメントは

流されたのではない

最初から失われていたのだ

駅の濃淡のようなもの

ガード下の滲みのようなものだけが残った

二つの駅の舞のようなもの

四人称の恋人が

他人より他人くさい自分の身替わりに 殺されてゆく

離婚した瞳は黒いつや消しの穴のようで

埴輪の犬のようにお相手している

汚染区域のように寒い夜だ

まだ雑音が混入する場所に居る

演奏のように終わりはない

 

 

 

 

 

 

寒い夜

 

家は広いのに二人と二匹が一つの蒲団に潜っている

目が覚めると何のために生きているのかわからなくなっている

帯を締め、微塵に砕かれよ

本アカも裏アカも 

微塵に砕かれよ

外部内部の意味も変わってしまった

 

 

 

 

 

 

regardless of what we may yet face

 

聡明そうな内臓だな

縄暖簾を潜るようにして

額を打った 束のニュアンス

盲人に色を説明する

縁石の磐石

双方向コミュニケーション

返事がないのは

言葉で返って来ないから

金属のようなマスクの形状

この子なら押せる

発育しない 青の星のチョッキ

わたしはあなたの子らを

忘れるだろう

ガクッ と寝てしまった

顔立ちはいいのに

時だけ過ぎて

痼りのような 凝固のような

妻を愛するように自分の体を愛する

内臓は あなたを知らない

お邪魔します

お招き出来ません

あなたの交友

スイッチを押してないのに動いている

もうすぐ東北へ

髪の毛を数えて紅い缶に入れる

comfort hotel, as a name

優しい憐れみの父またすべての慰めの神

帰化植物の土手

ユキ、名前としての

すみれ、名前としての

that soothes

自分の力では乗り越えられないでしょう

水産物の蠢くような

聖霊には尾鰭はない

見捨てられた

 

 

 

 

 

une berceuse

 

くるからまり

くるからまり

まりくるから

まりくるから

からまりくる

まりからくるから

くるまりくるから

からまりくるから

くるくるくるから

からからくるから

くるくるからから

からからくるくる

まりくるまりくる

くるまりくるまり

からまりまくる

からまりねむり

くるまりねむる

くるまりねむり

からまりねむれ

ねむるねむり

ねむりねむれ

 

 

 

 

house

 

声を出す場所を間違えている

傾いた瓦屋根の下で

古来どの都市にも居る

辻の予言者に

荷を負わせるような決定

採用された水仙

梁の補強のような辻褄

予めそこに立った時の感情

当然と思わない ツバメの巣

掠れた抑揚

青とオレンジが滲んで

sorry

実況じゃ駄目だ

SFXの歯

ふてぶてしい健気さ

地図は三角形で

ナビは南を持たない

カフェにしたらいいと思うけどなあ

日と時刻については誰も知りません

夜は近いね

黄色いコート カラシにして

おでんを食べたくなるね

星空に真上を向く

首のトリガー

寒さに反抗する腐った器官に

速やかで余計な取り決め

ゼリー状の結構

そんな受け答えする訳ないじゃないか

何も残らない

瘤のような話

死ぬ気で握手

川と三角定規

待つのではなく出向いていった

幼稚なエピソードだ

アイルランドの放火のように

藁の家に 火を点ける

犬には与えない

資産をあんかけに

星が消えている

 

 

 

 

 

 

 

きみがどこへ行こうと何を食べようとそれは場所とアミノ酸の移動に過ぎない

 

陽が射す

フロント・ガラスにぶつける挨拶

姦淫のように礼儀正しく

世のように白い雪玉の双曲線

手袋のみが黒く移動し

衣服は

心に染まらなかった

竹から蒸気

梅から白黒の花火が上がり

松が紙の内部に滲みてゆく

black bears being you

雪合戦が終わった後、換気の寒さのように入ってくる

言葉が上って行く

あるいは上って行かない

均等の厚みを持って

美しい黒の

陽だまり

家でぶたれて 一、二回バンドで唄ってやめて 今は誰かの奥さんになったみたい、なLP

そうですか、窓は割れてるけど、美人が乗るとどんな車でも格好良く見えるものですよ

鏡餅の代わりにパンダですか

愛媛県じゃなくて愛知県ですよ #松本俊夫

池端慎之助がパンダに乗ったらピーターパンじゃないですか

今日あたり無花果の枝を落としておかないと皿ケ峰から氷の風が降りてくる きみは凍った腕を切られるのは嫌か #tooncity

あんたは梅の木が飛ぶことを語りたい 梅が犬ころみたいだということを

福島が陽だまりに持っていかれそうになっている

器の冬は陽だまりのさなかに翳る予感 どの段階で祈るか

映像のエフェクトはその時間認識の問題

少なくともこの餅つきの音はきみたちのイベント告知より重要

画家は株主の線を引い てはならず 

今からの闇に照らされて行かなければ

バタイユは巧い出会い系のサンプル作者みたいだ。マヘルのトランペットの奴がやってた

bot をやる奴らはあまり勉強してない 

大事なのは餅つきの現場との相互コミュニケーション的な知識のやり取りであって。

あ、仕事しよ

 

 

 

 

 

 

眺望

 

棚田のように攻略されてゆく 

感情を探して 落としてゆく

麻痺した堰を切って 柔らかな土を探して

思い出す 虐殺の現場

わたしたちは皆 殺人者だ

心臓を痛めるための 代替療法のように 被爆しながら

なくなった講話のように 

夜は冷えて 死んだ 林は 取り残されている 

木と共に成長する傷 

家の鍵を猫に託して 春の空家は今 投影されている

ナメクジのように 凍らない心

カウントされる 寒さ

その日には あざみが渦巻いているだろう

あなたは三年の間、裸になり、はだしで偏頭痛の中を歩き回らなければならない

その荒廃は運命ではない 

義の事故だ

愛がその気になるまで 雌鹿を指して誓いを立てさせる 

空気に触れない蜜の甘さ 

バビロンの恋人たち 

灰色のreasoning 

額に注目 

読む 

光の肋骨 

夜のにおいを叱りつける 

空腹を利用した 教育 

この幻を 思い巡らす 

「胎児の叛乱」 

死にたくないのか、、お前。 

生きててもろくなことないぞ 

でも生まれてみないとそれが分からないんだよな 

 

 

 

2012年5月ー12月