tori kudo

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18-26静岡

18  廃坑にて、あるいは石灰の海に浮く盞

G#mD#G#mG#m 2/4 arpeggio

 

蛍絶え重曹的な塊が苦い蒸しパンみたいな胴体

先端の結果として花。

水面の結果に溺れて入日

 

最期の蛍を見届けたearly birdsが喋っている

磁器をシュレッダーのような機械にかけると濁酒になる夢は石灰化の反映でしょう

私とは裂け目であるので裂け目が何か言ってるぞと言われます

愛の不死薬、、、

バーホーヴェンのベネデッタ風に言わせれば

「お前たちは私の愛を裏切った。この町にも黒死病が這入りお前たち全ては腐って果てるだろう。文体も、食物も、橋も、夢も!

夜中も蛙ばかりが喧しい

酷使した部分に石灰が溜まる

厄介なライムスター

薬物をやっていたのだ、と考えると大抵の行動は説明がつく

蛙の水田にヒロポン国家の花火が落ちる

その疲れの隙間に

石灰が溜まるのだ

土壌をアルカリに変えようとする努力は悉く腐る

CO2の白濁を私たちは飲む

ところが生前の意に反して糖尿の骨は茶色い

ということは白黒の撮影は無意味だったと

衝上断層は色付きでなければならぬ

全ては腐るだろう、夢も橋も、〆真イワシも

スズキも

サゴシも

イサキも

ニブ鯛も

コショウ鯛も

岬アジも

ヒラメも

ホウボウも

狂ったペンギンは南極点を目指す

矯正は効かない

飛行物体の中の温度は調整されている

今は真冬だからただ暗闇を見る

石灰大陸を

茶色い骨が進む

糖尿のペンギンが机の端まで行って

落ちる

ネジは右回りだ

白濁に草が混じる

ニセのナマな考古学のように

眼を閉じると文字は白抜き

墓石の文字を削り取り

削り取られた粉の灰色

重曹を飲む十三小町

不覚到君家

そこにiPhone画面が内部から光る

光るiPhoneに最期の迷い蛍

さよなら方々のホーボー

あまつかぜ雲のかよひじ吹き閉ぢよをとめの姿しばしとどめむ

白濁に茶色が混じって飴を煮る

古来の色のnouveau

高円寺は円盤とかUFO clubとかおかしくないですか

君は去った

ここで「君は去った」と独白する別キャラを立てなきゃいけない

それをペンギンのように歩かせる

歩き出す

地の端から落ちる

落ちるとは上昇すること

覚えず君の家には至らない

帰っても蛙が啼いている

ミカドの口で啼くのか

ミカドっていま浩宮だろ?

啼くわけないじゃん

ビオラ弾くだけだよ

眼を閉じた闇の中でもデザインのキズは白い

グラデーションが押し寄せる

あ、それが銀河か

句点はいつも黒い、、、

句の切れは黒くないといけない、、、

、、、

それにつけても(おやつはカール)で進んでゆく

ガール

肉桂色の店

の羅列

金芝河の南(ナム)の羅列

ラッパのようだ

タマスダレの口

あ、蛙が止んでearly birdが鳴き始めた

新聞配達の楠本君のバイクの音もした

 

蛍、君のことは覚えているよ

来年は、無い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

19夏至のあとさき 

 

 

突端がふわとかもふとかいうより大魚のカマの弾性で崩れており、突くと夕空の文体が爛れた

髪は短く纏まり、服を着た胴体たちは給水栓の離れ方で離れて立っている

どっぷりと暮れ泥みまし赤を黒くし、青白のマスクは旗めく

あゝそれは角ゴシックで、始まりも終わりもない

余程のことなのだろう、猶予の時間は赤身魚の鎌のようにぷにぷにしている

desireの余韻、人生は後始末が全てだ

 

空気の中には蜜があり常住食すに適してゐた(ゆきてかへらぬ)

「暗いニュースが日の出とともに街に降る」わけだが川には逆流している部分が必ずあって、そうした渦溜まりを八艘飛びの要領で伝って遡上するのが人生である

 

子音のない夏が

憎しみに変わった愛について

合唱を始める夕暮れ

最期の蛍が落ちて

決意の光も夜気を吸い込み

弾け飛ぶ釦は頭上に貼り付く

これからは下り坂

写真に撮れない夜の母音の階調を

子音として通り抜ける

燃料も電波もなくなり

動けなくなった夏を

息を止めて通り抜ける

短くされることでやり過ごす

傾きの中で身を起こす

居なくなった光は鎌の音になる

㆐〈solstice d’été夏至〉

それどころではなくなった、では何だったのか

夢以外が遂に子午線のようなものを超えてしまったのだ

夢以外は遂に、子午線のようなものを超えてしまったのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20  いつも寝転がって手をひらひらさせている

F

 

ミックスナッツではジャイアントコーンが好きだった、と墓石には彫っておいてくれ

 

重力?に負けているのか、

見るといつも寝転がって手をひらひらさせている

 

 

 

 

 

 

21 holy day

 

漢字混じりの角が立つのか眺めているといらいらする

 

うすやみにかなかなをきくはまれにしていつころよりかあきらめてまつ

 

取り去ったのは

付け加えたのは

 

歌には乗っかって歌うやつとぶら下がって歌うやつの二種類しかない

その聴こえ方は虫や鳥の音が混ざり込んで現前するものと遮断するものとがある

あと,会えなくなってもキャラ化して泳ぎ回る記憶と、そうでないやつとがある

生きてきて分かったのはそれくらいだ

 

軟禁されていることを忘れて

状況が変わる時改めて意味を持つようになる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

22 いっしゅんで充満し、いっしゅんで遠ざかる

 

我思う故にとかじゃなくて主体とは恥が五割罪五割の裂傷に過ぎない

「べからず集」が欲しいだけなんだ、と三谷は言った。

アート独裁

 

「べからず集」がなくても音楽はできるが親は恥をかく

頭蓋がよく分かる

先が尖って

目尻から蟀谷に稲妻線がある

 

遠さと近さに濃淡はなく、限りなく遠いか限りなく近いかのどちらかしかない

だから遠さを利用して隙間でどうこうしようというやり方は立たない

 

豆の鞘

主体ずたずた

 

国際食豊かな母が子を煮たのである

 

広い洞窟に階段

 

ニーチェは七日目に関する法的時間軸がずれている。「われわれ」は八日目の休みの国に向かうのであって、一週が七日である間はブラック企業のごとくに働くときだ。

そこではすべてがいっしゅんで充満し、いっしゅんで遠ざかる。

キョリは時間だ。時間は、労働だ。

 

かたちとなかみのちがい

なかみはない

ないなかみのかたちがかたちなのだ

なかみのあるかたちはない

なかみのないかたちというかたちがあるだけだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

23 君のため夏は終はりと叫びをる拡声装置としての野のゆり

 

 

 

サマルカンドで今

 

低い声で三度ずらし

やっと立って

花のおもさで倒れて

 

暗いみらい

杉を切り出すかなかなの去った山に

ユリの味蕾

におわないのは現場監督の後遺症

 

石積みの背教

騒乱節のヒブルー

ワクワクしない

 

キリンでさえウクライナ西部の腹に届かず

彼を助ける者は誰もいなかった

圧力をかけられ首の骨も食べられた

森林の音とそっくりだった

妻はオムレツのように手の周りを過った

石の滑らかさのように咳は飛び出した

 

個人の平和は三分の一に過ぎない

 

夏も終値

 

工芸の具象と抽象

百合と柘榴の銅の井の頭柱頭

パーラー跡地の永山則子

 

もうだめだ

ブルースの余地もブギーの余地もない

 

鉄と粘土の時代に於ける鉄の妄想と粘土の妄想が熔け合う

ところが鉄の妄想は粘土に於いて具現化し、粘土の妄想は鉄に於いて具現化する。それで見える形になった無意識は常に最初に抱いた愛とずれている。

一枚岩の中に衝き上げられた断層が捩れたまゝ風化したのが現在である

風化物を使った3Dの再設計はAIが行う

だから全ての作品の素材は轆轤に乗せられない砂である

それを大自然のなかで行う

 

川の花火が今年も中止になったままツインドームの辺りから予告なしに続け様に一〇分くらい

下池の土手に上ると良く見えるので知らない父娘と知らないカップルと、余った爆弾の処理のように、余った家族の処理のように、いくつかの言葉を交わしながら見た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

24 NOPE

And I will throw disgusting things upon you, and I will make you despicable; and I will set you as a spectacle. Nahum 3:6

 

反復させないために没頭する。上らせないために裏返し続ける。

 

だから写真を見ても顔のない人は安心できる

顔のない人は結構沢山居る

 

リモートの顔の近づき方で近づいてくる顔の

すっかり変わってしまった近づき方に

もう無理かもしれないと思って近づく

あゝ近づく

限りない、限りない近づき方で

近づく

 

廃炉が歩いている

 

山の向こうは海

天草を干すと獲られる

ここは池の上

胸は心太

内腔は天突き天を突く

 

刻一刻と後悔しかなくダメージは大きい

痺れとは断続であり人生のストロボである

若いうちに喜びなさい

責任を問われるけれど

死んでも部分的には瑞々しい

綱渡りで大人になる

言葉遣いを真似して台無しに

幾何学模様はなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

25 山の道

D D G F D D D D

G G G F6 D D D D

Em Em F6 F6 D D D D

 

山の道 許される建築は少ない

許されないアイスなら売っている

巣を壊されたスズメバチの

待つことが希望だったのか

希望を待っているのか

エグザゴンに疑念を植え付ける

きみは愛されていない

全ては温度だ

レントゲンで内部を診ても

きみの場合ただの腑分けだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

26 粘土に気をつけろ Soigne ta argile

 

海水中には五〇億tあるという全ての金を

途中で止める

トンネルも掘らない

 

ワンネスの間違いと調子こいた錬金野郎の老衰

 

形を変えた道教に過ぎないものに縋るな

年金が出ないのと同じ理由で逆転しない余生を死ね

 

声を知らない

知らない声には付いていかない

腹話術師は任命さ

変形した声が形になり

 

恐ろしいパワーが集まっている粘土に気をつけろ

 

天蓋の雲の、滞留することのない抽象はフラクタルでしかも重層になっている

空に昇る具象はすぐに呑まれてパルーシアは見えず、アキアカネが羽を付けて飛ぶ

 

朝顔は一度咲くと次の日は咲かない。次、次、という感じである。次、次、というのはひとを刺していく表現である。次、次、とずれ込んだ秋を刺しているのである。

 

みずをのむことができるので

えいようをとることができています

みずのじゅんかんのほうそくです

いとしたとおりにものごとははこび

ちからをもっている、ということがわかります

コクミンをうちやぶる必要があった

どのように崩れ去ったのでしょうか

焦げたクッキーの城壁 から赤い紐

人間では退治できない