tori kudo

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◎2012.1

辰年のコミュニケーション

 

手話に裏表があるなら

装いを変えても追い抜かれる

雹を追い抜き 終着駅に刺さってゆく

山吹色の光を押し出して ドアは閉められ

室内は既に霊の白さを予期している

語られた状況は 葡萄茶と紫だった

要約しようとすると補色になる

白土に白蛇

全宇宙が注目

 

オレンジイエロー

クリーム

今年も光は蛇のようにはためくのか

焦げたオレンジ

目を閉じると太字のアルファベットが見える

収蔵品のような 意味の沈殿

また別の時があると思っていたが

人は終わりまでこのまま こめかみから内部に アニメ化される

 

わたしの言う事をあなたが当てはめたら

わたしはすぐにも滅びるだろう

あなたの接続が 場末のネカフェのように 遅いので わたしは まだ生きている

生かされているのではない

  死に漏れているのだ

 

女はトイレで 嗚咽した

 

 

クラウド・メアリー

 

パブリックは祝福の日溜まりだ 水面に上って息をする 水生の有袋類

プライベートそれ自体のなかでは言葉は呼吸できない

裏アカは裏アカの外にしか、外によってしか存在しない

もうここからしかメールしない 公開処刑(萩恭)の装丁は素晴らしい

平田です

放歌魔

色彩のブルースは見かけ倒し 弾道はいつも将棋倒し

しがらみ焼

津市を通りました 山が枯れて灰が暖かく もう死んでもいいようなところですね もうすぐ伊勢に着きます

伊勢 後ろ姿がみな同じ 滅びに至る広い参道を

触る木に持っていかれて また一人脱落

パブリックから剥がれ落ちる 欠片の藁を綯って

妥協神社 玉砂利社交

木造ハートの結構 賽銭箱をひっくり返す誠実

人々よ 虎屋のように2日で腐れ

ひねたジャスミンが壁に向かって這い登ることを諦め、放尿するように絶望している

三重は枯草の中をゆっくり暮れていった

「きみのいない日本は暮れかかっています」 いつしか日本代表のような気持ちで

すっかり暮れて白いものだけ光っている

桑名の夜は黒くて バスジャックされたように寒い

ネギのようにほつれて 館内着のように結び目のある 撮影の結束点が 水平にされた携帯にボコボコ 沸く時間

かなしみぱみゅぱみゅ

来年はハワイか台湾に行こうかと言われて「えっ!タワイ!?」と滑ったら「両方かよ」と返された

生まれないようにするために何もしなかったと言って私は自分を責める。(『カイエ』)

囚われのマナティが回転の快楽のみに意識を集中させている

猫がその短い人生に伸びをさせている

ジョニー・サンダースが short lives を唄いながら、リチャード・ヘルの人生を寄り添わせている

川の中の石。川になるのか石になるのか。川にあらず石にあらず。

癌細胞に戸籍を譲る

ひなぎくの茎に鬼ユリが 平田さんの体におれのアタマが

花が茎を掴んで名前を乗っ取ろうとしている

水鳥は漂いながら静止して コンビニで子を産み捨てている

 

for the poetry book of Shibuya

自分の書くものは現代詩だと信じるシブヤくんは、自分の書く言葉にどこまでちからがあるかどうかを知りたくて、女に自分の詩を歌わせさらには他言語に翻訳してから歌わせることまでして、これはもうほとんど伝わらないだろうというところまでもっていく。これは美術の手法である。そこまでしてリアリティーの行く末を見る。あるいはわれわれに、それを案じさせる。結果少しでも残ったものがあれば、あるいはなければ、それが現実というものだ。

シブヤくんの肩はイカのように均質で、たまにいる、人が折角揉んでやると肩こりってなんですかと言うタイプの非地球人であることがわかる。松本圭二は地球人を詩人、聖人、それ以外、の三つに分け、詩人と聖人だけが救われ政治家哲学者等はなんの価値もないと喝破したものだったが、もうこれでお分かりのようにシブヤくんは地球人ではないので、その三つのうちのいずれのカテゴリーにも入らない。エデンを目撃する第三者を仮想するのは不可能だ。それでもなお、ライターと歌手という仙台のメジャーごっこの仮想のなかで、かれは最初からぼくらの救いとは関係のないところでちからそのものを試そうとしてくれているのだ。

 

 

ミホさんちで買ったマラマッドのレンブラントの帽子がいい。言葉が被災する以前の、荒川洋治やミホさんが商売できる「減ってゆく側の豊かな領域」

 

吹雪の車内で

 

鼻腔に死の息

一つ息をする毎に命から離れてゆく

日はすっかり傾き

形は市民だが

喜びの中身が全く違う人々の

被災した家の灯りから

どんどん遠のいてゆく

新しい旅行計画を組む

死の代理店の

ツアーガイドのように マイクを使っている

弁当箱のように 大きめの声で

死臭を土に埋めながら

今夜、異なる場所場所で時間は進行している

クオリティは掠れ声の中だけに退行した

カリースマとは話しかける能力のこと

マスクの連なりから

愛を強制する叫びが上がる

弁当箱の蒲鉾のような白が

再びうどんの料金のように外気に沈んでいる

代理者たちは蟹のように立っている

その親切は試食のタッパーのようだ

テイスティングされる死のにおい

食用にされる胎児のような

発酵し損ねたドメスティックの暴力の生地のような

壊れた傘のにおい

車の中で渦巻く吹雪が

過去の実をはたき落とすにおい

そのにおいが携帯で伝わるのだ

濃いけれども 化粧の仕方が違う顔のように

意味なく定義がずれていくように思える

別の枕のような土地に

きみは レンタカーを走らせるように

吹雪く車内で手鏡を見る

転向の言葉がスノータイヤを履いていないのに

黄色と青のケーブルマイクが枕の上に置かれている

最前列に移動しただけのリアリティーは有効か

それは老いの皺のようだ

黒檀のような立体が フレームレスの横で

やさぐれた牧師のように 立っているのが見える

寒そうな熱帯. も部屋の隅に見える

音の熱 のみによって 照り返されている

ガマガエルの通奏低温は月食の筑波から絶え

背広のポケットにフラップはない

残像のメニューの中で カフェで 餓死する

暖かい便座のスイッチを切り

白のクロスに 蚊トンボの影のように 握り拳で汚れを付け

喋る女の首をなくす なら

ああまた 寒い熱帯

チラ見する 時計が 狂っているなら

部屋の中のマフラーが 胃のようなもののフレームの 色に なっている筈だ

牡丹色とオレンジは一群のDVDのように排斥されなければならない

という牛の喋りが 薄紫に向けられている

黄色い丘が 溶けて広がっている

大家族 ものめずらしさも手伝って

その通奏低音は塵からのさえずりのようだ

吹雪の車内で その通奏低音は塵からのさえずりのようだ

 

 

あまるけんど
あけるんまど
あまどけるん
まけんどある
あるけどまん
けんまあるど
どあまるんけ
どんまけある
どけまるあん
あんまどける
まるあけどん
どけんあまる
けんどまある
どんけるあま
どあまんける
あけるまんど
どあんまける
どるまあけん

「収穫は過ぎ,夏は終わった。しかし,このわたしたちは救われなかった!」

 

TL

 
貴橄欖石 と
黒い太陽

 

黒ガラス の
試験管

 

鉱物 を
人の上に置く生き方

 

磨くこと に
仮託した

 

節度

 

黒ガラス
涙 ヒロシマの

 

黒曜石 の
院長 は
居眠りする 段階に
来た 風化物 を
遠くから 見ている

 

際立つ 黒い 眼球
牽かれる 牛
半円に刺さる直線
義なる者に飾りあれ
見下げる 石鹸箱
清さ と メーター(何の機器だろう)
萎びた田楽のような品位
山 宗 崇
@cle_cowryor @frufrustuunhc
フォローの仕方がTLネットワーク
山 の 羊 が ヤギ汁
うるさい 青 が 争う
ルワンダの 口 口 口
それらの口に 明るい緑 の
苔が 光った
拍手の直前に
象牙色の 沈殿 が起こっている

 

罪は 生来のもの
ではない
と証明され

 

わたしたちは
不完全だから
という言い訳が
出来なくなった

 

すべては
ベクトルの
問題になった

 

 

子を失った熊のように彼らに出会い、その心の囲いをかき裂く

 

twitterは果てしないはしたなさである

はしたない果てしなさである、かな

 

正月

ピラニア軍団
ていたよね
一行目から言葉を出す場所を間違えている
そんな風にして 明けて
満月になって 終わった

 

平田さんの愛は切実なものだっただろう。それは全ての代わりだった。永遠の命と引き換えの愛だった。

愛はその絶対的な不可能性から出発している。私たちが視たのはその場所からの幻想の共同体だった。それは易々と思考の不可能性を前提するまでになった。それらすべてはチャラチャラした恋愛沙汰から構想された。
その愛はテンポラリーな処方として終わりの日々に限定されている過渡的なものなので、いまは誰も本当の愛を知らない。
不可能性の共闘を探すことが今の流行りなのだ。それは同じにおいのする人間を探すことに似ている。
原発はわたしたちの愛より大きいのでわたしたちは原発推進派のように愛にすがりついている。
諦めきった滅びの眼差しのようなものを愛と思い込み、苦難のパンと虐げの水を体内被爆のように受け入れている。外には崩壊、内には不安があり、それを小刻みに放出するのが知恵の全てであるかのようだ。 
犯された記憶に再交渉してみせるだけのリハビリのような人生。希望は遂げられた時終わってしまい、知られなかった愛だけがぼんやりと残ってしまう。
愛に律法があるなら、それは愛される側の生政治でなければならない。

 

マラマッドを出した夏葉社は「いちじくが葉を付けると夏が近いことを知る」から取ったのかな。そうだとすると「夏の知識」だね。デルモア・シュワルツの

 

逃避行

 

わかるよ、そろそろ終わりだ
トンネルには 相変わらず 死んだ獣の風が 通っていたが
「気を悪くしてはなりません」という声がして車は夜を抜け出た
神は喜んだが
女は部屋に祭壇を設えていたので
それはたやすく 他の神々に取って代わられるのだった
1回目の旅行のとき、
2回目の旅行のとき、
怒りは激しくぶつかって
互いに譲らず、別れることになった
逃避行のようにして
世から離れていたのに
立ち飲み屋の前で 立ち止まり
外れたパチンコ玉が すとん と落ちるようにして 吸い込まれていった
隠れていても 風邪は引くもんだね
たまに天と地で メールした
やがてMAILER-DAEMONという返信が来るだけになった
きみの夢を見たんだよと 今日も メールしようとして
花屋の店先のような 茎を縦に流れる 霊のにおいがして
モオヴのバケツに 吐く形をした雲の 写真を撮ろうと
煮凝りのような
阿佐ヶ谷の
箱根の高さの上空から下までの空気を切り取り
線量を測定し
突然死した獣の糞便にラベルを貼った
マルコのような
ひべるにあ の
レモン色の夕方 と訳された あの時刻に
本当は暮らせていない人たちが
楽しそうに 残された時間を さんざめいて
3つ目の祭壇から 見捨てられ ヨコハマ の 日ノ出町あたりをうろうろしていた時
不意にあの直角の シリンダーのように切り取られた上下空気の線量が
ハト と コオロギに付着して聞こえてきた
電話に出ない時刻の 祈りのような野菜たちが 口を開けて
冬、寒、と 種々の彩りの 携帯を 打っている
帰って来て 休息することによって 救われる ような休日出勤の秘密を
もはや 隠さない
月経中の女のように
汚物と呼ぶ
ベルベットとリンゴ箱とローソクでしつらえた 祭壇
kinh Th’anh
夜道にベトコンラーメンていう看板が見えて
コオロギの羽根のようにしんなりした線量に
無気力であることが
分からないほど
動かなくてもよかった
逃避行 が
被曝による 寿命の短縮に
意味を変える
料理に被せる蓋のように
意味を覆う
射的場のような 灯りに
ぼくらは 立ち止まる
精算ボタンを押すと 足りないことが分かっている
痛みが幻想であるように
資本も幻想であればいい
トリガーを破壊することだ
逃避行のさなかに
全ての言説は空だ
静岡の海岸に
わたしがうち上げられている
女は夜中にジャスコの掃除をしていた
彼氏と一緒だったので淋しくなかった
トンネルの中は ロケットのようで
抜けると いつも わずかに
予言のように明るい 夜明けだった
逃避行と 測定器が その明るさの中で 出会っている

 

 

先回り先回りするような朝13日のきんようびだね
ジャッカルは連れ合いに欠けることがない言葉と結婚すればいいのか
明らかに言語であるかのようなノックして入って来ようとするのはどの猫

はいは一回のまばたきで いいえは二回のまばたきで

 

寒い国に居る人だけが自らの吐く息の形と行方をいつも見届けている

ゆきのやまをあなたにあげた まひしたこころをわたしにください

空と海の色が全く一緒で見分けがつかないことがあるね。船が飛んでいるようだ。

あなたは自分の言葉が世に投ぜられた爆弾だと思っているみたいだけど、そうだとしたら世界は不発弾だらけね。

ソンタグに倣えば、写真は対象に対する距離という点で、時間に対してさえ倒錯的になることができる

コーラ缶股に挟んで車椅子

(アーガイル六首)
アーガイル同士が道で擦れ違う親族のような無関係さで
アーガイル同士だからといってもね親戚みたいな口きかないで
何を言うきみの名前はナオミだとその紋章が語っているぞ
この柄を着てたら皆なキャンベルとあなたは思いたいって訳ね
トラウマは小布施の街にこだまするトリガーとしての柄の強迫
思い出をかけ流しにして捨てるならあなたのナオミになってもいいわ

 

いろはすやなにもそんなにしなくとも 

なりふりかまわぬ かぴたるの 雪

かなしみぶじょぶじょ

足の先だけではなくて全体が鉄と粘土で赤い彫像
審問の露国にひとり遺されて白き峰らのおそろしきかな

関ヶ原

 

裏日本が太平洋側に侵入した奇妙な積雪地帯で きみに電話しています
表に抜けようとする風の通り道なのか、ぼくらの裏もまた白く覆われ、
上からの細い通り道なのか、電波による逢瀬も吹雪いては止みながら
人生がカラーであろうとモノクロームであろうといまはただ白い風景が続きます
この辺りは決定の低地平原と呼ばれ
古来より国々の歴史を左右する見えない決戦の場でした
と突然
ぼくらの裏と表は 裁かれることなくトンネルを抜け雪のない表日本の町に放り出される
あとは平易な日常が萎えた裏を黙って裏返している

 

 

Isaiah

 

澄んだ黒い水が
首都の手土産に持ち帰られた

 

飲める泥水の言葉を捨て
あゝよく見れば ボーフラのような
水の傷

 

首都から帰って来て
息が出来るところで息を殺している

 

blessed  cursed
二つの言葉の
入れ子のような唐突な転換

 

胃はまるでつやつや光るストッキングを穿いた膝のようで
汚染米のパールの輝きと引き換えにすべての財産を投げ打つわたしたちの外食

 

は照らされて コキュコキュ と軋む プラスチックの わたしたちの 臓器 を使ったスプラッタな撮影のようだ

 

ブーツによる鼠色の日常が 市街地の鹿のように 胃を捕らえる

 

ハキハキとした 50年前のカラースチールのような論旨

 

はマイクが置き去りにされ
トルソ型の花瓶の光の輪郭だけが残った

 

が雪の林のドラマではいつも
ハアハア逃げて
撃たれることになる

5+・・・I was immune.

 

通過する小惑星エロス

    小惑星エロスの接近で夢が固くなっている人が多い

 

頭を振って
惑星を振り切りながら
売物件の看板だらけの道を
進む朝

 

日光はあくまでも温暖に 翼を広げるので 来ぬ男を想って僕は
ずれた縁石を蹴り上げる

 

鼻につく失業のにおいを振り切りながら
甘い惑星のようにして

 

罪の落胆の名残がある

 

軍隊の方がまだましだった
それでも君は
嘘と共に歩め
あくまでも温暖な

 

朝の奪略の日差しの中
売物件だらけの道を

 

背表紙、背表紙
疲れる幼稚さだ
これで千人が倒れ 万人が倒れた
それにしても携帯を忘れたね
脳が蚯蚓のように土を食べている
頭蓋に穴を開けて抗ガン剤を入れる
今は完快している
大多数は不道徳
軍隊のように黒い電流が配電盤を流れる
たてがみのある動物よ

 

ガンと共に歩め

 

別のものに乗っ取られて死ね

 

それでも君は
甘い惑星のように鼻につく失業のにおいを振り切りながら
嘘と共に歩め
あくまでも温暖な
朝の奪略の日差しの中
頭を振って
売物件だらけの道を
嘘と共に独りで歩め

 

 

肢体を「死体として互いのもの」と聞き間違えて起きられぬ朝
起きられぬ朝ただで売られてただで買い戻されるとイザヤは言ってる
いざ起きようと思ったら「いっそトイレは薄着のままで行くんです」