tori kudo

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2019.11

11.4

洞門行

 

辻の気狂い
ただの行き違い
吉祥寺の頃から

体の中に茶筒があって
捻ると音がする

溝(ドブ)の黒
収穫は終わった
セメンの中の果実色した宝石
こげ茶のN/
納得できない事柄を考え続けるより
目の前の物を楽しむほうが良い
うずら
こわばり

 

 

 

11.11

切断線のある風景

 

東温上空は川内の北方で8月から絵に描いたような偽の分断を仕掛けられている。その偽の分断に対してノーと言うこれもまた偽の左右勢力から「令和だ安全だ」という叫びが上がる時に真の切断が始まる。無気力にも音程があるとしたら無力そのものを一人サーバーに向かって吠えさせねばならない。

それを前にして表現における倫理なき切断は最早意味を持たない
プログレもtiktokも同じことだ
俺が、俺の身体が切断されるのだ
分かるか? 股から八つ裂きにされるのだ

なんの希望もなく、ただ八つ裂きにされるのだ
イカのように!
スメルジャコフならまだ良かった
これじゃスルメ雑魚フだ

糸電話が泣くのではなくて、糸が泣くだけなんだけれども、その糸は、ただの悔し涙にも反応するものなのか?だとしたら、俺の九四国フェリーのピアノで泣いたというOの涙も、そういうことだ。犬も食わない哀しみを抒情と呼ぶ乎。

犬も食わないから哀しみなのよと開き直るやつもいるが、その苦闘を鑑賞するなどというのは演者にとっては磁器やドルフィーと同じで地獄以外の何物でもない。

それにつけても、全てを敵に回す仕草の、なんと古びて陳腐なことか。そして、だからといって、世間の明け暮れは朝刊の字面のようにフォントとしては何も少しも変わりはしないのだ。

もうすぐ陽を浴びて皇帝ダリアが眼に沁みるだろう
そして僕は皇帝ダリアも皇帝ダリア飼育係も、と例年のように呟くだろう
鎌倉の近代文学館の庭の、被曝前の夢のなかのような写真も想い出すだろう
ブレていて、白い着物がゆうれいのように翻っていた
その幹は竹のようでよく伸びるので僕は恐ろしかった

作務衣を着た陶芸家の作務衣は妻が洗うのか?リベラルは消滅してそのコンテンツはジャンケンで陣営に分けられた。その分配、分捕り方には何らの倫理も働かなかった。分断は混乱のためだけに発想された。

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イギリスのローカルチャート
くらいの辺境
魚の顔して
モニターの背景の青の映り込みが違って
実体の方が沈んでいる
撫で肩の円熟が悪魔の思い上がりを語り
赤とオレンジは合わない
時間をパンのように割く
複雑に捕らわれそうになったら
慰める
痛みの最大の薬は理解
勤勉さと同程度の思考力が必要
管理人としてその能力を使う
dorcas in doldrum ドルイド
発進前に下顎を左右に動かす
土気色ゾンビ
画面映りでその気になった顔を円熟と呼ぶ乎
がぶり寄り荒勢
真ん中分け
なんで豚が主人公なんだ ああ豚にされたからか 最後は人間になるんだった
表情と内容が一致している
二本指 指は太い
ステレオタイプすぎて仮面に近づくくらい素面
三本指も太い
あるときは父親のように
あるときは母親のように
薄すぎて本当
上半身アニメ
家族のように親しくなる
と言い切った
土気色の魚
死んだ目の優しさとは何だろう
顔の筋肉だろうか
豚の鼻の孔
鸚䳇
蒲鉾型の赤味を帯びたトンネルが想像界を貫いている
フクロウ!!
タイとハンカチの柄を合わせ
頭を上げて
角度がモアイ
勇気を絞って と言った
最後までサイコパス
父と娘の絆が
赤味がかったトンネルの
想像界の花道を出てゆく
みみずく!!
トレーナーが限界を引き上げてくれる
二重瞼の給水所
下の歯が見える人種
どこから来ましたか
笑っている
笑えている
本心なのだろう
六角とか八角とか
何によって定められるのだろう
今は九角以上あるな
愛はあるものを喜び あるものを喜ばない
ということは 愛は何かを見分ける助けになる
感情の真を導きとするのではない
ぼたん系とオレンジ系は合わないのに
愛は覆う
直射日光から
愛は原則に基づく意思決定である故に
あなたは嵐のように彼らを襲う (俺以外の左右上下全てが、嵐のように俺を襲うだろう)
なめくじ姉妹
偽りの安心感を抱かせる
ずっと目を見ている
目だけを見ている
額に穴
胃や腸ではない体の周縁に話しかけている
私たちはもう子供であってはならず,波にもまれるかのように翻弄されたり,風に吹かれるかのようにさまざまな教えに振り回されたりしてはなりません。人に欺かれたり,ずる賢いたくらみに乗せられたりしてはならないのです。
法は力を吹き込む (九条は人に力を吹き込まないことを僕は知っている。その一点で俺はリベラルから切断されるだろう。)
腐敗の要素が全くないエチレンガスを放出
体の各部が共同し合う
総力戦の時となりました
心のドアは内側しかノブが付いてない
全開にして全体像を見ないと進まない
炎は小さく調整できない
消極的な見方は炎を消してしまう冷水でしかない
背広の肩のラインに 切断がある
多くの男性は
愛されることよりも敬意を払われることを望む
赤ん坊の泣き声が
蚊のように耳の後ろに上った

 

 

 

11.18

11月

 

私たちはどのようにして生きているのかというと車のデザインを見せられて野獣や涙目の動向を見せられて生きているのです
あとはヴィノ・ノヴェッロで現在世界を読まされて生きているのです
絵画によって生きているのではありません
家族の物語によって生きているのでもありません

私たちは車の威圧によって生きているのです
あるいは舌の先の金属の味によって

草によってみどりを得ているのではなく
その生え方や生え際によって強迫されているだけなのです

枝ぶりは
なくならなければ自然とは言えません

光と影は
産道以外の意味で使われてはなりません

薬局が量販店になったのがいけなかったのです
それで松が死にました
子供たち、横断歩道を渡る時は首をかき切られないように気をつけてください!
車が、ナイフだからです
みどりはすべて図鑑の緑になってしまった
彩色を行う手がふるびてしまってもうどうしようもない

 
失敗と戦争の間につながりがあり
そのつながりは渦であり
渦は腐っている
腐った渦は失敗のビオから出て
巻き貝のペンダントは直ぐに千切られ
港の対岸の島はあまりにも近く
えりかさんの翼は滑走路をはみ出す
節目に生えるのが羽根なら
見落とし勝ちな歩行者を轢くのは
モーセの体を巡る論争の螺旋
注射針の痕に四角い絆創膏を貼って
ゆきさんはクジラの温さを盛り付け
源の安全も忘れて命を落とす
ディスプレイを磨いて死んで四日経つまで待つ

 
おもしろい夢
夢はおもしろい
きみはでてこない
きみってだれですか
きみじゃないよ
しにたい朝
朝はしにたい
きみのせいで
わたしのせいですか
きみじゃないよ
つめたい足
足はつめたい
しんだらもっとつめたくなった
ぼくの足ですか
きみの足だよ

 

 

 

11.25

十一月ソノ二

 

隠し場所を見付けられず元気がない
このインクもそろそろ終わりだ
爆発は口から
弁償のランチ
葉は一様に水分不足を訴えている
真理とは間違いからの自由
奴隷ではないので選べる
足を組み替え
家主の話を聴く
殺人したら追い出す
死にたいは録音できない
先祖の薬物
千八百万人の習慣からの自由
声を聴くってアナ雪みたいだね
結論を言ってから そして というのはやめてくれないかな
うろこ雲はイワシのフライのようにえぐれている
村山も武蔵野だった
唄えなかった
強制されて从(シタガ)う
三十年待って
f(x)=ax+bのグラフ
蛙の目玉
骸骨のママ
レール上を歩いていく陳腐
一台だけ売る外車屋
花弁波打つ周縁
房べり
花弁の房べり
水筒を落とすと
茶にガラスが混じる
種の中の柿の芽のように浮き出る
カーブの続く山道
死にたい は録音できない
死ねシネマよ
シネマへ
死ねおまえ
きのうやった
写真の継ぎ目はwaterfall
台形
ゲームのワーム
フォークで耕す 掌
子供を愛することを教わる必要があった
意識的に子供に愛情を表現する必要があった

起きれないので
  ラ抜きは駄目だな
起きられないので
三十九度の追い焚きにして
温めようとした
出かけるには温めるしかなかった
その手続きがどうしても必要だから
使われても勤められないだろう
  東京の勤め人は大変だろうな
  六十年代的な瞬間の美学が悪いのだ
小便もしたいが寒いので後にする
水の中で水を我慢しているのがおかしい
水の中に水を入れた袋があるのと一緒だ
水は温まりにくく冷めにくい
体は水であるのでなかなか暖まらない
体はレトルトのカレーにすぎない
ただの水分の詰まった袋なのにものを考えたりしてすごいと思う
設定温度に近づくと四十度の熱とかやばいと思う
  やばいとかあんまり使いたくないな
余程の炎症がないと体温はそんなに上がらないだろう
熱いものを飲むと自分を冷やそうとして体温は下がる
熱い湯に入るとそれでも徐々に体温は上昇するのだろうか
冷たいものを飲んで体に年寄りの冷や水を浴びせると
子供の頃の顔が柿の種の中の芽のように浮かび上がる

作者がいない映画
最大公約数に落ち着くのではなく
銅の代わりに金を携え入れる
臭みを除き
何年も先のことを決める
平たい赤い街の線描
のような声
干し煉瓦に新聞を貼った壁
作者のいない映画の
制作に参加できない者だけが作者であった
嫉みで曇らされて、批評どころではなかった
欠けていたので、殺してしまおうと思った
子供の頃の顔を殺そうとしたのだ
周りに立つ人々のために言っています
参加できない作者は語らされた

最高の仕事とは嘘を暴く仕事です
彼らはそれで爽やかさを得ることができます

問題はエネルギーが限られているということだけです

車は、頭であるか体であるかのどちらかだ。後部の窓が吊り上がった眦であるときその直下は目の下の整形の弛みとなるが、体であるならば凹凸は悉く四躯の筋肉となる。大型車でも頭だけのものもいる。外車は動物の体全体が多い。厄介なのは頭と体が混合しているもので、それをバッドデザインと呼ぶ。

象徴界にもピンキリがある
という言い方は想像界的だ
学問的には象徴界にピンキリはない
ということは象徴界という用語は無意味だ
象徴界という用語はそのために存在するのではないか

花ではなく実の色で飾るとは恐ろしいことだ

いきなり命
十代
二十代
三十代
六十代
七十代
short lives
をやり直せるなら

それも同じことだ
支配する者が
支配される者よりも先に死んでしまう

薬品業界のコンシューマー
延命商人

くの字型の死
アダムは九三十歳
十億倍の使用に耐える

今から
四万キロで地球一周

多様
才能性格能力
猫のような多様性

片道五十年の旅行

百五十億人
一ヘクタール
三千三百坪

山々の頂で豊作

獅子の歯の
黒地にレモンイエロー
香月泰男

投げ捨てることにより支払う

✖️✖️✖️✖️

Θυγάτηρ
thygater
娘よ
蛍光黄緑の爽✖️✖️✖️✖️

紫キャベツの色

湖に注ぐ川の
完結
だらだら流れる力じゃなくて

腕を通す喜び

脛骨の四番
首が折れる

最高の仕事とはうそを暴くという仕事
絶望の荷を引きずったまま生きる

一人一人が持つエネルギーは限られている

余ったエネルギーを使っていた

いつの間にか赤を入れられ

だらだら流れる力じゃなくて

がまんすればするぼど強くなります