tori kudo

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Kath

kath bloom

私たちは複数の地層を生きているが、言葉を出す層は人によって異なっている。それが歌の言葉である場合は尚更である。kath bloomは、歌手たちが普段は歌の素材にはならないと感じるような、消耗する生活の層から言葉を出す。世界の問題とは家族の問題だからである。

 

bubble bath

もうだめか・・
あんたはどう思てるの
だめんなってだめんなって
こうなるんや
まあ、それはそれ、これはこれ
ちょっと!膝から降り!猫
分かってるて、姉さんがいかんとかは
まあそれはそれとして
これはこれ
捨て台詞考えたら
風呂に入るんやね
あああ
湯面は静まりかえってる
肩まで浸かるんやで
ああ消耗する
しょうもな

Moon through a dusty window

見てみ、汚い窓からお月さんが動いてるのが見えるわ
風がめっちゃ吹いてんねんで
ひとりで行ってみ、池は静かや、
変な夢やらもっと変な絶望やら失うなった失うなったゆうけどそれはあんたが大きゅうなったからや
この通りの悲しい感じを洗い流すには東から嵐が来てくれんことには無理や
嵐が、しもたあ!て思う川原のススキをなぎ倒していくんや
しもたあ!て悩む川原の泡立ち草をなぎ倒していくんや

汚い窓からお月さんが動いてるのが見えるやろ
分かるか?風がめっちゃ吹いてんねんで
テレビがガタガタゆうてる あんたの小さい手を握ってる
私も失くした失くしたゆうけど、それが時とゆうもんやった
汚い窓から見えるか?お月さんが動いてはる
この通りの悲しい感じを洗い流すには東嵐が来てくれんことには無理や
嵐が、しもたあ!て思う川原のススキをなぎ倒していくんや
しもたあ!て悩む川原の泡立ち草をなぎ倒していくんや

 

at last

月が凍ってて
風が強かった
どこやらの道でやっとあんたに会うたんやで
あんたがきれいと思うようなもんは見あたらんかったやろ
行ったらいけんというような場所も無さそうやったやろ
もうほっときなはれ
気にせんでええから
付いて来

何ぞ良さげなもんはみるみる見えんようになっていくで
分からんかったようなもんも結局はこのあたりにしかないんや
結局はな
結局はな
わたしには見えへんでそんなもん
あんたの顔はじーっと見てるけど
ここいらではない別のとこがええと思うで
こんどはちゃんと計画して来よな
段取り良くな
今回は首根っこ捕まえてたけど
こんどは鎖外して行こな

ここら辺に座ろか
淋し
そろそろやな
家に帰ろか

things that I do to forget about you

あんたを忘れるためにしてること
あんたを忘れるためにいくところ
あんたを忘れるためにつくる知り合い
あんたを忘れるために飲む海
あんたを忘れるために沈める期待
あんたを忘れるために浮かべる想念
あんたを忘れるためにしてることがわたしを崖っぷちに立たせる
あんたを忘れるためにしてるのに

あんたを忘れるためにしてること
あんたを忘れるために人をだましたり
あんたを忘れるために警告を無視したり
あんたを忘れるために取り返しのつかない日々を送ったり
あんたを忘れるためにぐっとこらえたり
まああんたには分からんか
あんたを忘れるためにわたしのしてること

まあよくある話ではあるから分かる部分もあるか
好きやったこと、良かったこと
全部ぶち壊しになってしまうのに
進んでいってしまうんや、わたしは
やめられへんのや、夢中になってるときも
ほんのちょいのときも
あんたがそれに慣れっこになってしもたときも
やめられへんのや!
あんたを忘れるためにやってることを!

Another Point Of View

石切したんや川で
一人や、夢か?
その家まで歩いて
ネズミみたいに黙ってた
本棚から一冊取って
別の考え方をしてみたいから
読んでみる
あんたが居らんくて死にそうなんや
という以外の

良かった頃、まっとうな頃は
森の奥で
暗い夜に
膝ついて祈ったもんや
でも今は別の見方を教えてくださいと祈っても
聞いててくれる人も居らへん
あんたが居らんくて死にそうなんや

星空の下、マットを敷いたよ
私らって何?とか
何で?とかどうやって?とか聞かずに
誰か教えてくれへんかなあ
もうひとつ別の見方を
あんたが居らんくて死にそうなんや
という以外の

 

let music come

この世界が汝を失望させる時
地面に立っていられないような時
汝の存在のまわりを言い訳がぐるぐると回る時
遠くから音が聞こえるかもしれぬ
すると汝の心臓は高鳴りはじめる
汝の忍耐は報われるであろう

音楽をして来たらしめ、去らしめよ
汝が逃げている時、落ち込んでいるとき
この世界は重い、だが見よ、あたしは知るべきである
我音楽をして来たらしめ、そして去らしめよと

道に立って思わず笑わずにはいられなかった
だってあんなに投げやりに、無気力になってたんだもん
でもこんな自分をあなたに見せに帰るよ
そうしなくちゃ
だってわたしこんなに生き生きとしてるし自分を尊敬してる

友だちと一緒に演奏しよう
終わることはないよ
わたしの心を開いて、新しくスタートさせてくれる
この世界を引き裂いて、りんごのカートをひっくり返して
わたしは音楽をやって来させる、そして見送る

 

FOUND LOVE

わたしって絶望してさみしくってもう黙っちゃってたわけ
自分が見た事ですっかり悲しくなっちゃったわけ
音楽もばかでかい音でかけて
でもそれも愛を見つけるまでのこと、それから変わったのよ

まえはすっごく怖い顔してたのよ
きっと道で見たら逃げ出したと思うよ
でも彼がきて、くれんたんだ
これ以上望めないくらい
愛を見つけてから変わったんだ

鳥が
木から木に
呼び交わしながら飛んでる
そんなところに住めてしあわせ
生きることはうれしい!
わたしの心は小さな少女
愛を見つけてから変わったんだ

きみも絶望してひとりぼっちかも
テレビをつけると
アメリカっていいとこだっていってる
きみは外に出てやるべきと思われてることをしてみる
するとアメリカンドリームからひどいしっぺ返しをくらうんだ

finally

やっとこさ

なんとか愛されて満足ってとこまで行きました
恨みがましい目で周囲を見るてこともなくなりました
なんとかあんたの顔をまじまじと見れるようになった
やさしくされて
もう不信はなくて安心してる

なんとか抵抗をあきらめるってとこまではきた
テーブルの上になんとかそれを置くことをイメージして、それでなんとか。
なんとか助けてくれた人たちのことを思い出したりして
感謝できるか自問したりして 
そんな根性わたしにあるか?あるか?あるか?って

なんとか道を歩けるようにはなりました
日光を見て、自分を抱きしめて、とかできるようになった
なんとかドブから這い出して
ブーツの片方の紐を結んで
そしてもう片一方も
なんとか

なんとか期待しなくて済むようにはなりました
待ってた汽車は駅に着いた
なんとか「クイーンズ・ナイト」号に向かって歩いてる
寒くて、蒸気が光ってるよ、光ってるよ、光ってるよ

なんとかかんとか無駄に過ごした日々が靄に差し込む日の光のようにすごく大切になる、というところまではきました
そしてとうとうあたしは地面によこたえられる
もう何の色も見えないし、何の音も聞こえない
そこでは色を見ることも音を聞くこともできないだろう

そして最後に、あんたが反対側からよじ登ってくる
そこには愛と許しがあるだろう
そこにはもうプライドはない、プライドはない

プライドはない プライドはない!

そこには不信感もなくて、もう安心してるあたし