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windbellのためのmy favorite things 2013

windbellのためのmy favorite things 2013

何もなかった。被爆による大量死に至るまでの過渡期だとたかをくくって、第一次世界大戦から百年目になる2014年のことばかり考えていた。ところが2014年はこの作業を終わらせるまではまだ始まっていない。それは終わらないかもしれない。2014年は終わりではなく、2013年に削り取られてゆくだけのものなのかもしれない。膾炙した映画に共通していた心情は、「最後の美に殉ぜよ」というものだったように思われる。

技法
1
ウィンター・ファミリー – 10月 – 大分アットホール
日常的な空爆の音を口真似で再現されて圧倒的だった。
2
12.16のリアクターを使ったナミオの演奏 – 12月 – 東温市
最近ただでダウンロード出来るようになり、ノートを置くだけでステージを成立させていた。
3
磯端伸一 – EXISTENCE – Jigen0081
高柳門下に共通する出口のなさ。
4
ガルシア・ロルカ生誕祭 – 6月 – 広島アビエルト
フラメンコの手拍子に衝撃を受けた。
5
森下周央彌g+古山晶子ts+水上洋ds – 12月 – 中崎町コモンカフェ
オクターヴァーを高低2種類使ったギター、水平に並べたドラム、サックスの今様ベン・ウェブスター的な音程の取り方、が新鮮だった。
5
clavinotes – The sign that passed like night lukewarm rain of spring
ビーチ・ボーイズでしかも不可避的によれよれであること。

コミュニティ
1
ライト清掃会 – 10月 – 京都ザックバラン
ベケットとネオダダの出会い、のようだった。?
2
木股展 – 6月 – 仙台 全部・穴・会館 <ホール>
金田一安民の愛によって運ばれた一連の「笑う流れ者」巡回展。
3
Reve – Ventre Univers – pilotti13
リールという小都市で、ジオグラフィック/Kと繋がったミュージカル・ファミリーのシェア・ハウスで生きるということ。
4
酒井正雪他 – 興居島太郎 – 10月 – 興居島
住民が三津史のために野外劇を演じるところまで来た
5
バレエ「百年後の春の祭典」 – 8月 – 高知県立美術館ホール
大木さんはパリでもやりたいと言っていた
5
中西揚一展 – 約束 – 12月 – 札幌 ギャラリー犬養,と ReguRegu – 魔女と卵
デザイン運動としての札幌の白眉。

風土
1
金沢
ヤッホー茶漬けで一番衝撃を受け、
その後葡萄夜にこっそり行ったけどばれたみたい。
2
伊吹山
なだらかでよい。
3
瑠璃渓
奥座敷的な興趣あり。
4
夫婦滝
名前が良い。
5
兎のソースの肉団子
ヨーロッパにもB級グルメが存在することを知る。
?

あとはいわゆる
1
新井淳一展 – 10月 – 久万美術館
桐生からテキスタイルという文体へ。
2
ジョゼフ・クーデルカ展 – 12月 – 国立近代美術館
トリミングと露光について示唆的だった
3
飴屋家 – 教室 – 8月 – 阿倍野旧ロクソドンタブラック
「作り話のように思い出す」
4
王と鳥
舟を漕ぐ男の愛の歌に王が沈黙する場面。
5
御中虫 – 関揺れる
震災句に対する気持ちは分かるが関に対する性的な描写はいただけない。

それと松岡正剛のこれに関連した書評の中の、俵万智は西に逃げたから短歌に向かえていないという言い方もよくない。
震災句よりもまず放射能から逃げなければならないと思う。
逃げたくても逃げられなかった者が震災句の可能性といった問題を実作で解決し、最後の美に殉じて見せても、それはむなしさを募らせるだけだ。
東京で洗練された文化的なポーズを取ることは、その大量虐殺に加担することになるのではないか。